現在、日本と韓国の関係は過去最悪の状況である。そして中国の顔色をうかがう韓国政府やメディアは表には出さないが、実は中国と韓国の関係もまた最悪だ。韓国国民は事あるごとにヒステリックに「日本が悪い、中国が悪い」とわめき出す。
その一方で、韓国は北朝鮮に対しては融和的である。やはり元は同じ民族だからなのか、新北派の韓国・文在寅大統領が高い支持率を得ているのが何よりの証拠だ。
そして韓国国民の中には朝鮮半島の南北統一を望む声も少なくない。「朝鮮半島が統一されれば、日本や欧州の強国にも勝る経済大国になる」。しかし残念ながら、その青写真は韓国人の妄言と言わざるを得ない。もしも南北朝鮮が統一されたら、一体何が起こるだろうか。
(1)2000万人の経済難民が南に押し寄せる。北朝鮮国民の大半が経済弱者であり、彼らが一斉に韓国政府に救済を求めたら、ただでも脆弱な韓国の財政は破綻するであろう。
(2)国連の制裁対象になる。北朝鮮の核を引き継げば、統一朝鮮は核保有国となる。容赦ない国連の経済制裁は、元韓国にまで及ぶだろう。
(3)統一朝鮮は再び分断、東西朝鮮となる。韓国という国家が消滅した時点でそれはアメリカの支援対象ではなくなり、北朝鮮が消滅すれば中露の支援対象でもなくなる。ここぞとばかりに中露は朝鮮半島に侵攻、東をロシア、西を中国が分断統治することになろう。その間アメリカは一体何をしているか。せいぜい「極めて遺憾であり、これに断固として抗議する」と声明文を読み上げるくらいではないか。
もっとも以上のシミュレーションはまだまだ甘い。なぜなら韓国主導の統一を前提としているからだ。もしも北朝鮮主導で朝鮮半島が統一されたなら。よりエキセントリックな未来が待っているのは想像に難くないであろう。