小学時代、俺は短距離走、長距離走ともに足が遅かった。いや、決して遅くはなかったのだが、まさしく中の中であった。理由は簡単、当時俺は今とは似ても似つかぬほど丸々と太っていたからである。
その代わりと言っては何だが、俺はサッカー、バスケ、ハンドボール等、球技は比較的得意であった。しかし小学時代、俺がそれらによって喝采を浴びることは一度もなかった。
今思えば小学校の体育、俺は馬車馬のように走らされた記憶しかない。そして運動会、マラソン大会、学校中の脚光を浴びるのは常に足が速いヤツラだ。なぜ小学校の運動分野の晴れ舞台は、競走競技だけに偏重しているのだろうか。
例えば運動会において、紅白対抗サッカーやバスケがあっても良いではないか。あるいは陸上競技に目を絞っても跳躍や投擲、何も競走競技だけが種目ではない。競技の幅を広げることで、それぞれ得意分野で活躍出来る児童が増えることは自明であろう。
ちなみに俺の通っていた小学校には、学校対抗サッカー大会なるイベントがあった。もちろん主力は5年、6年なのだが、俺は3年の時から友人数人と自発的に練習に参加、そして自分たちが6年になる年を心待ちにしていた。
しかし俺らが6年になった代でサッカー大会は急遽廃止、代わって学校対抗駅伝大会が催されるように。その時の無念たるや、まさに筆舌に尽くし難し。