放送開始48年の『サザエさん』、38年の『ドラえもん』は別格として。今日、『ちびまる子ちゃん』、『クレヨンしんちゃん』、『ONE PIECE』、『名探偵コナン』など、テレビ放送20年を迎える長寿アニメは皆1990年代に誕生したと言って良い。これはそれ以前の日本のアニメ史をひも解いても、ほとんど例を見ない。
しかしこのようなアニメの放送長期化傾向は、2000年代に入ってピタリと止んでしまう。またアニメの放送時間帯も、ゴールデンタイムから主に深夜枠へと追いやられてしまった。なぜ2000年代以降、国民的長寿アニメは生まれなくなってしまったのだろうか。
◆後世に残したい国民的アニメTOP10
(フジ『アニメアカデミー
1億3000万人が選ぶ不朽の名作』より)
1位 サザエさん (フジ 1969-)
2位 ドラえもん (日テレ 1973、テレ朝 1979-)
3位 となりのトトロ (1988)
4位 まんが日本昔ばなし (TBS 1975-1994)
5位 ドラゴンボール (フジ 1986-1997、2009-)
6位 ONE PIECE (フジ 1999-)
7位 名探偵コナン (日テレ 1996-)
8位 風の谷のナウシカ (1984)
9位 鉄腕アトム (フジ 1963-1966)
10位 アルプスの少女ハイジ (フジ 1974)
その原因として、俺は「子供の娯楽革命」を挙げる。1990年代後半から2000年代にかけ、インターネット及びネットゲームが普及。子供の興味・関心は完全にそちらに向き、結果テレビ離れが加速度的に進んだ。よって新たに子供向けアニメを人気長寿番組に育てていくことは、テレビ局にとって全く採算が合わなくなってしまったのだ。
今後例えば『進撃の巨人』や『妖怪ウォッチ』のような、一過性の社会現象アニメは登場するかも知れない。しかし『ONE PIECE』、『名探偵コナン』といった国民的人気長寿アニメは二度と誕生しないだろう。実に寂しい限りである。