今日、老若男女を問わず広く人気を博すアニメは、大きく2つに分けることが出来る。「日常あるあるネタアニメ」と「非日常ヒーローものアニメ」だ。このうち後者、「非日常ヒーローものアニメ」として『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』、『名探偵コナン』などが挙げられよう。しかしここでは、「日常あるあるネタアニメ」にスポットを当てていきたい。
「日常あるあるネタアニメ」の代表格といえば、何と言っても『サザエさん』であろう。ごくありふれた日常生活の中で起こる、誰もが経験したことがあるであろうささやかな驚きや笑いを主婦目線で拾い上げる、それが同作の作風である。そして目線の主体を主婦から小学生に移行させたものが『ちびまる子ちゃん』、園児に移行させたのが『クレヨンしんちゃん』となる。
◆日本を代表するアニメといえば?
(「gooランキング」より)
1位 ドラえもん 3815票
2位 サザエさん 2856票
3位 ONE PIECE 2304票
4位 ドラゴンボール 2088票
5位 それいけ!アンパンマン 485票
6位 鉄腕アトム 468票
7位 名探偵コナン 444票
8位 ポケットモンスター 420票
9位 ルパン三世 366票
10位 宇宙戦艦ヤマト 315票 ※以下略
一方、「日常あるあるネタアニメ」の中でも異彩を放っているのが『ドラえもん』だ。小学生目線で描いたテスト、いじめっ子、親の説教、意中の女の子、これら日常のあるあるに際して「もしもこんな時にこんなものがあったら便利だよね」といった願望を具現化させたのが同作である。これは他の作品には類を見ない、まさに「日常あるあるネタアニメ」の発展形と言えるだろう。
さて、「日常あるあるネタアニメ」において最も重要な要素、それは「共感」である。誰もが身近に感じられるシチュエーションに思わず顔がほころぶ、それが絶対必要不可欠なのだ。その点において、上述の『サザエさん』はいささか時代錯誤が過ぎるように思える。あくまで作風を壊さない程度に、舞台背景の時代革新を求めたい。