先日、歌手の安室奈美恵が引退を発表した。
俺は特に安室ファンではなかったが、世代で言うならドンピシャの中高時代であった。もし声が届くなら、彼女に「長い間お疲れ様でした」と伝えたい。
さて、デビューから20年経っても支持され続ける歌手、例えばドリカムや安室奈美恵、宇多田ヒカル、彼女らに共通することと言えば何か。
それこそいくつも挙がりそうだが、俺が着目したいのは「売上において2番手であった」点だ。
90年代前半、ドリカムの上には常にB'zがいた。90年代半ば、安室はTRFに追随し、00年代初頭、宇多田の売上は浜崎あゆみに及ばなかった。
彼女らは決して時代時代の”女王”ではなかったのだ。
そして時代を制したはずのB'z、TRF、浜崎あゆみが今現在どのような評価を受けているか、皆までは言うまい。
「出る杭は打たれて、2番手が称賛される」。音楽市場に限らず、そのような国民性が日本人にはあるようだ。
◆シングル・アルバム総売上枚数
1位 B'z 8233万枚
2位 Mr.Children 5953万枚
3位 AKB48 5129万枚
4位 浜崎あゆみ 5067万枚
5位 サザンオールスターズ 4894万枚
6位 DREAMS COME TRUE 4356万枚
7位 松任谷由実 3948万枚
8位 GLAY 3853万枚
9位 ZARD 3746万枚
10位 宇多田ヒカル 3622万枚
11位 SMAP 3518万枚
12位 安室奈美恵 3239万枚
13位 CHAGE AND ASKA 3141万枚
14位 嵐 3048万枚
15位 松田聖子 2966万枚
16位 L'Arc-en-Ciel 2927万枚
17位 globe 2893万枚
18位 Kinki Kids 2606万枚
19位 中森明菜 2538万枚
20位 TUBE 2455万枚
さて現在、人気低迷するAKB48に代わり、熱烈な支持を受けているのが乃木坂46だ。
しかしながら思うに、それはまだ乃木坂がCDセールスにおいてAKBに次ぐ2番手だからだ。
仮にこのまま乃木坂の人気が上昇し続け、AKBを凌いでシングルをポンポン200万枚売上げるようになれば、国民は一斉に眉をしかめ出すのではないか。