ファンならずとも、いまだ記憶に鮮明なのではないか。2005年、『ドラえもん』声優交代事変。ドラえもん担当声優が大山のぶ代氏から水田わさび氏へと変わったことで視聴者は困惑、一大議論に発展。結果、『ドラえもん』に”懐かしさ”を求める大山ドラえもん世代の大人たちの多くが遠のいていった。
しかし『ドラえもん』にとって幸いであったのが、それが児童向けアニメであったことだ。たとえオールドファンが離れていっても、大山ドラえもんを知らない世代の子供たちが次々と誕生し『ドラえもん』の新規視聴者層を形成。彼らを中心とした熱い支持により、今や水田ドラえもんは完全に定着したと言って良い。
◆日本を代表するアニメといえば?
(「gooランキング」より)
1位 ドラえもん 3815票
2位 サザエさん 2856票
3位 ONE PIECE 2304票
4位 ドラゴンボール 2088票
5位 それいけ!アンパンマン 485票
6位 鉄腕アトム 468票
7位 名探偵コナン 444票
8位 ポケットモンスター 420票
9位 ルパン三世 366票
10位 宇宙戦艦ヤマト 315票 ※以下略
そして間もなく我々は、再び全国民を巻き込んだ声優交代事変を目撃することになろう。今年でテレビ放送48年を迎える『サザエさん』。放送開始時からサザエさんの声優を担当してきた加藤みどり氏が、現在77歳の高齢なのだ。体力面を考慮すれば、加藤氏の『サザエさん』降板の日は遠からずやって来るだろう。
しかも事態は『ドラえもん』の時よりも深刻だ。『サザエさん』の支持層はほとんどが”懐かしさ”を求める大人たち。作品内容上、子供たちを中心とした新規視聴者層の開拓は極めて困難なのだ。かつて『ドラえもん』が遇した人気凋落の危機、果たして『サザエさん』はどう乗り切るのだろうか。