ついに悪魔の手が目と鼻の先まで伸びて来た。
現在、中国が朝鮮半島の領有を主張している。「朝鮮は古来より中国固有の領土である」と。つまり韓国、北朝鮮はそもそも中国の属国であると宣言したのだ。さらに中国は、北朝鮮が国家機能停止に至った場合、中国がこれを引き継ぐとまで言っている。
この発言を受け、日本のネットユーザーの間では危惧するどころかそれを歓迎する声が広がっている。「いいぞ中国、存分にやれ」、「いっそ韓国も併合してしまえ」。
とんでもない話だ。中国の朝鮮半島吸収合併などという大異変が起きて、隣国の日本が無関係でいられると思っているのか。よってここでは中国の朝鮮併合に伴い日本に降りかかるであろう、俺が思うところの懸念を2つ提示したい。
(1)中国が韓国を併合すれば、間違いなくアメリカが奪還しに動くだろう。なぜなら在韓米軍基地は、アジア戦略上極めて重要な軍事拠点だからである。そして米中軍事衝突が起きた場合、戦禍の最前線となるのは朝鮮半島ではない、日本周域である。
(2)中国の目的は朝鮮半島などという、何の資源もない小さな領土ではない。その先に広がる日本海である。中国が南北朝鮮を併合すれば、その後に日本海全域の領有を主張し出すだろう。以後日本は、中国と日本海を巡って全面的かつ恒久的に対立することになる。
中国という異常国家と隣接する脅威、それは南シナ海を挟んで中国と隣接するフィリピン、マレーシア、ベトナムなどでは赤子でも知っている。幸運にも我々がそれを知らずに済んでいるのは、朝鮮半島というクッションを挟んで中国と隔てられているおかげだ。
中国と言う巨悪がアジアの超大国として君臨し続ける以上、たとえ日本と韓国の間に絶望的な価値観の不和があろうと、両国は同盟国として歩調を合わせ共存していくしかないのだ。