2012年、中国による尖閣諸島不法占拠以降、日中関係は依然として冷え込んだままである。現在両国間の緊張状態に幾ばくかの改善の兆しが見え始めたとは言え、その関係は今なお理想的な状況にあるとは到底言い難い。
中国との対立がもたらす日本の国益上の損失、それは例えば韓国や北朝鮮との対立がもたらすそれとはまるで比較にならない。日中間の経済的、軍事的パワーバランスは過去10年で完全に逆転してしてしまった。仮に日中が正面から軍事、経済衝突した場合、より甚大な打撃を被るのは残念ながら我が国の方である。
さて、子供でも分かる理屈。2国間の関係を良好かつ強固なものにしようとした場合、もっとも手っ取り早い方法は両国共通の敵対的第3国を作り出すことである。そして実際にそれをせっせと行っていたのが韓国だ。韓国は大々的に”Discount Japan(卑日運動)”を展開することで相対的に自国の地位を向上させ、アメリカ、中国双方に取り入ろうと努めてきた。
しかし皮肉なことに、それにより最も益を受けたのが日本である。コウモリ外交が完全に裏目に出た韓国は、国際的な”Korea Passing(韓国無視)”により、極東アジアにおいて日米中露から完全に孤立。期せずして日本には”反韓共有”という、対中外交における有効な政治カードが転がり込んできたのだ。これをまさに今行使しなくてどうするのか。
もっとも韓国の壮大な自滅を目にして、それと同じ”泥試合”をやれというのは、あまりに日本にとってリスクが高い。しかし日本の外交姿勢はいささか”スポーツマンシップ”に過ぎる。例えば韓国のように、良い意味でもう少しえげつなくても良いのではないか。