戦後日本漫画史70年。その間に『美味しんぼ』、『味いちもんめ』、『クッキングパパ』等々、実に数多のグルメ漫画が誕生した。
しかし俺は不思議でならない。これほど美食を追求する漫画がたくさんあるにも関わらず、一体なぜ煙草の味を追求する漫画は存在しないのか。あらゆる銘柄の煙草を吸い尽くし、全国津々浦々と巡りながら最高のシチュエーションでの至高の一服を追い求めるストーリー。誰も描こうとしないなら、むしろ俺が描きたいくらいだ。
ちなみにもう主人公の名前まで決めてある。屋仁倉朝一(やにくらあさいち)。寝起きの朝一番の煙草を吸った時のヤニクラから命名したものだ。この朝一のヤニクラの気持ち良さと言ったら、まさに天にも昇る心地なのである。