俺をパンチングマシン友人内最強たらしめた”ジャンプ・イン・パンチ”!? | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

俺はゲーセンのパンチングマシンが強い。少なくとも学生時代、友人内では負けなしであった。俺は腕力も瞬発力もせいぜい中の上程度、ならば一体何が俺をパンチングマシン友人内最強たらしめていたのか。その秘訣はパンチのフォームにある。


通常ボクシングの右ストレートは”ステップ・イン・パンチ”。的確な間合いから蹴り脚で”踏み込み”、右拳を繰り出す。けれど俺が採用していたのは、”ステップ・イン・パンチ”を基本としながらもさらにオリジナルを加えた”ジャンプ・イン・パンチ”。”ステップ・イン・パンチよりさらに遠い間合いから蹴り脚で”飛び込み”、その勢いを乗せて右拳を繰り出す。俺はこのパンチでハイスコアを量産、あまねく猛者共を倒してきた。


しかしこの”ジャンプ・イン・パンチ”は、通常の”ステップ・イン・パンチ”よりも遥かに強靭な足腰を要する。25を過ぎた頃だろうか、老いには勝てず俺は”ジャンプ・イン・パンチ”が打てなくなった。「我がパンチング人生に一片の悔いなし」、俺はひっそりとパンチングマシンを引退したのであった。


けれど今からでも俺にパンチを挑もうという友あらば、俺は1ヶ月で下半身を鍛え上げ”ジャンプ・イン・パンチ”を再現してみせよう。だが残念ながら、俺の周囲にそんな暇人はいないのだ。