バスケットボールにおいて、1on1というゲームスタイルがある。説明するまでもないことだが、2人のプレイヤーが攻撃手と守備手に分かれ、1対1で攻撃手がゴールを決めるか、守備手がそれを阻むかを勝負するのだ。
俺はバスケに関しては、体育くらいでしか経験のない超ド素人だ。ド素人だからこそド素人なりに疑問に思う。「バスケにおいて1on1はフェアな、つまり攻撃手と守備手が完全に対等なゲームとして成り立つのだろうか」。
ちなみに俺はサッカーならば一応経験者だ。以前はよく友人とラウンドワンに行き、攻撃手と守備手に分かれてサッカー1on1をしたものだ。もっとも正確に言うならば、攻撃手、守備手の他にゴールキーパーが1人つくのだが、それはこの際ノーカウントとしてほしい。
しかし矛盾したことを言うようだが、サッカーにおいて1on1はゲームとして成り立たない。なぜなら圧倒的に守備手優位なのだ。ほぼ実力が同等のものが1on1をしたとして、攻撃手がゴールを決めるのは10本やってせいぜい1本か2本、十中八九守備手にボールを奪われる。
それくらいサッカーにおいては、ドリブルで相手を抜き去ることは難しい。ゆえにサッカーではドリブル2人抜き3人抜きがスーパープレイとして称賛されるのだ。
つまるところバスケにおいて1on1がフェアに成り立つためには、攻撃手がゴールを決める場合と守備手がそれを阻む場合が五分五分でなくてはならない。バスケで相手を抜き去ること、それはサッカーにおけるそれより遥かに容易いことなのだろうか。
もっともそんなことは、いくら頭で考えて見ても埒が明かない。本来ならば実際にバスケ1on1をやってみて、この身体を以て知り覚えれば良いことだろう。
しかし俺ごときバスケド素人とそれと同程度の者が1on1をしてみたところで、攻撃手優位も守備手優位もクソもない。ただ攻撃手が不用意に打ったシュートがリングにかすりもせず外れ、諦めてそこで試合終了である。