何を隠そう俺まきしまは、天上天下唯我独尊の非モテである。夜一人で味気のない飯を食いながら思う、「はぁ、俺もモテたいなぁ」。
10代20代ならともかく、俺みたいな30も半ばのオッサンが「非モテ」だの「モテたい」だの言っている時点で、もはやガンマ線バーストレベルのイタさを放っているような気もするが、そこは温かい目で読み流してほしい。
然るに「モテる」とは、不特定多数の異性から好かれて好かれて好かれまくることを言おう。かつて彼女がいた時、俺はそんなことを望んだだろうか。否、一度たりとも望んではいない。
思うに、誰もが一人だけで良いのだ。一人だけ自分を好いてくれる相手がいたなら、「モテたい」などという荒唐無稽な幻想は塵のように消え去るだろう。