最近はすっかり運動不足の俺だが、20代の頃は休日主に地元の友人2人とラウンドワンに足しげく通っていた。
そこでやることと言えば、フットサルコートでサッカー“1on2”。GK1人とDF1人、それに対し攻撃手1人がドリブルシュートを仕掛けるのだ。
さて、中高時代。あくまでド素人レベルで言うなら、俺はそこそこサッカーが上手かった。得意プレーはドリブル突破。体育では主にFWを任され、普通に3人抜き、4人抜きシュートを決めていた。
で、話を戻してラウンドワン。DF1人などチョロイと思いきや、どういう訳かこれがなかなか抜けない。振り切ったと思っても、GKに飛び出されシュートコースを消されてしまう。
学校体育を卒業して10余年、キレやテクニックはこんなにも衰えてしまうものなのだろうか。もちろんそれもあるだろう。しかし恐らくそれだけではない。実際のサッカーと1on2、決定的に違うのは“攻撃の選択肢の数”である。
体育のサッカー、攻撃手の俺がボールを持つ。この時、選択肢は何もドリブル突破だけではない。
ロングパスかショートパスか、ショートパスなら右に出すか左に出すか、前へ送るか後ろへ戻すか、あるいはいきなりミドルシュートを狙うか。無数の攻撃パターンがゆえに相手DFは絞り込めず、だからこそドリブルで抜くことが出来る。
しかし1on2。俺が必ずドリブルで来ることが分かっていたならDFにとって選択肢は2つ、右に抜いて来るか左に抜いて来るかだけだ。まして相手が、俺が最後は右足でしかシュートを打てないことを知っていたなら、どんなにフェイントを掛けても十中八九読まれてしまうだろう。
ゆえに“埼玉のネイマール”まきしまをしても、ドリブルだけで攻め込むことは極めて困難なのだ。
ついでに言うと、フットサルコートはあまりに狭くスペースがない。スピードだけがウリの俺にとっては、それもまた手痛いディスアドバンテージなのである。