今日は2月14日である。
もし仮にある奇怪な人が「今日は何の日か」と不可解なことを問うたなら、俺は「2月の第2火曜日だ」と答えるだろう。
そう、今日は年に52回ある火曜日のうちの1日、それ以上でも以下でもないのだ。
従って今日、俺は誰からも何ももらっていない。当たり前だ、俺の誕生日は5月31日なのだから。
しかしもしかしたら、俺に気持ちとして例えば何か洋菓子のようなものを渡したがっている女子がいるかも知れない。
けれど、それを今日俺に渡してしまったらどうだろうか。
「俺の誕生日はまだ3ヶ月以上先なのに、おっちょこちょいさん」、女子たちは俺にそう思われてしまうことを何より恐れるだろう。
よって俺に何か手作りめいたものを渡したくても渡せない。渡すにはあと3ヶ月も待たなくてはならない。
そんな想いを胸に秘め、悶々としている女子がこの地球上に5人くらいはいるかも知れない。いや、論理的に考えているに決まってる。
俺は何と罪な男であろうか。