2005年、国民的アニメ『ドラえもん』が心機一転リニューアル。声優陣を一斉交代し若返り、さらには制作スタッフも一新、ガラリと内容を改変した。しかし古くからのドラえもんファンの一部は、これが面白くなかったようだ。多くのオールドファンが『ドラえもん』の視聴をやめ、現ドラえもん声優・水田わさびに対するバッシングは今も尚囁かれる。
もちろん俺も30年来のドラえもんファンとして、大山のぶ代のドラえもんには深い思い入れがある。けれど今さらそれを言ってどうなるというのか。『ドラえもん』改変からもう10年以上、当時幼少期であった子供たちは水田わさびのドラえもんと共に成長し今や中学生だ。今の子供たちや20代以下のドラえもんファンにとっては、“水田ドラえもん”こそが紛れもなくドラえもんなのである。
◆日本を代表するアニメといえば?
(「gooランキング」より)
1位 ドラえもん 3815票
2位 サザエさん 2856票
3位 ONE PIECE 2304票
4位 ドラゴンボール 2088票
5位 それいけ!アンパンマン 485票
6位 鉄腕アトム 468票
7位 名探偵コナン 444票
8位 ポケットモンスター 420票
9位 ルパン三世 366票
10位 宇宙戦艦ヤマト 315票 ※以下略
しかしそれはそれとして、今のアニメ『ドラえもん』の作風については俺も思うところがある。ずばりジャイアン、スネ夫、しずかのキャラクターが完全に死んでいるのだ。少なくとも原作漫画において、ジャイアンといえば「理不尽で暴力的なガキ大将」、スネ夫は「狡猾で陰険な腰ぎんちゃく」、そしてしずかは「お風呂が大好きな女の子」。けれどこれらエッジの利いた設定は丸く削られ、今や彼らは完全に「のび太の友達その1、その2、その3」である。
まあ現代の風潮として、アニメの中とはいえいじめを生々しく描くのはご法度、まして小学生の少女の裸体を描写するなど言語道断だ。これも時代の流れならば異は唱えるまい。しかしたとえ『ドラえもん』が俺の知る『ドラえもん』ではなくなったとしても、それでも次世代の子供たちにも『ドラえもん』を観て感性を豊かに培ってほしい。