「ゆとり世代」とは、2000年代前半に文科省が提唱した「ゆとり教育」に則った学習指導要領に基づき学校教育を受けた世代であり、現在25~30歳の人たちだ。一般にゆとり世代は他の世代と比べて学力水準が低いと見なされ、しばしば不当な侮蔑を受けている。
しかしゆとり世代を嘲笑する者たち、俺はむしろ彼らの見識こそ疑ってしまう。文科省が推奨したゆとり教育は、児童・生徒の著しい学力低下を招き、わずか5年足らずで頓挫。これは明らかな国政の失敗である。つまりゆとり世代の低学力、それは彼ら自身の怠惰の結果ではない。ゆとり世代は国政失敗の被害者なのである。
志を高く持とうにも、教師や教材の要求水準が低くてはどうにもならないではないか。俺は切に思う。国はゆとり世代に対し国家賠償責任があり、彼らは国家に対し賠償請求をしてもいいくらいだ。もっともそのような事例は、これまで一件も聞いたことがないが。