日本の二足歩行ロボット技術は、恐らく現在世界トップであろう。1996年、ホンダが初の二足歩行ロボットASIMOを発表した時は、日本のみならず世界が度肝を抜かれた。それから20年、今では当たり前のように至るところで二足歩行ロボットを見かけるようになった。
ではなぜ、日本のロボット製作の情熱はとりわけアンドロイド型の二足歩行ロボットに注がれているのか。フランスの作家ジュール・ヴェルヌは言った、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」。そしてご存知日本は、世界随一のアニメ大国でもある。『鉄腕アトム』に始まり『機動戦士ガンダム』、そして『ドラえもん』。これらアニメを目を輝かせて観ていた少年たちが、今では大人になり二足歩行ロボットの開発に携わっているのだろう。
◆日本を代表するアニメといえば?
(「gooランキング」より)
1位 ドラえもん 3815票
2位 サザエさん 2856票
3位 ONE PIECE 2304票
4位 ドラゴンボール 2088票
5位 それいけ!アンパンマン 485票
6位 鉄腕アトム 468票
7位 名探偵コナン 444票
8位 ポケットモンスター 420票
9位 ルパン三世 366票
10位 宇宙戦艦ヤマト 315票 ※以下略
しかし、二足歩行ロボットの機能性は果たしていかがなものか。こう問われると、いささか回答が翳ってくる。例えば俺が風邪を引き、40度の高熱とひどい立ちくらみに見舞われたとする。さて、俺はどのようにしてベッドからトイレに行くべきだろうか。間違いなく四つん這いになって進むであろう。それが最も転倒リスクが低いからだ。同様に月面・火星探査や被災地救援など、実用性を考えるなら四足歩行や車輪型がベター、二足歩行ロボットの用途は極めて限られてこよう。
22世紀に向け、飛んで跳ねて走り回るネコ型ロボットの実現に挑むのもいいだろう。しかし同時に、実益性の高いロボットも本腰を入れて開発すべきである。日本の技術力を以てすれば、その分野においても世界トップを狙えるのではないか。