我々の宇宙は137億年前、「ビッグバン」により、
無限小の1点が爆発的膨張を起こして始まった。
宇宙は今も尚、膨張し続けている。
これはもはや定説、一般常識と言っていいだろう。
そして自ずと、次の疑問は決まってくる。
「我々の宇宙は、一体どのような最後を迎えるのか?」
さて、我々の宇宙の全構成物質。
そのうち光や電磁波で観測出来る天体は、わずかに5%だ。
そして23%が目に見えない「暗黒物質」、
残りの72%が「ダークエネルギー」である。
…まるで中2男子が付けたようなネーミングだが、
専門家がそう呼んでいるのだから仕方ない。
「暗黒物質」は宇宙を収縮させようと働き(引力)、
「ダークエネルギー」は宇宙を膨張させようと働く(斥力)。
(1)引力が斥力に勝った場合
我々の宇宙の膨張速度はどんどん遅くなり、やがて停止。
その後は収縮に転じ、最後はビッグバン前のような1点に戻る。
これを「ビッグクランチ」と呼ぶ。
(2)斥力が引力に勝った場合
我々の宇宙の膨張速度はどんどん加速し、
やがて恒星と恒星、惑星と惑星同士は互いに遥か遠ざかる。
これを「ビッグチル」と呼ぶ。
(3)斥力が引力に遥かに勝った場合
我々の宇宙の膨張速度はやがて無限大に達し、
天体は原子一つ残さずバラバラになる。
これを「ビッグリップ」と呼ぶ。
「我々の宇宙は、一体どのような最後を迎えるのか?」
それは、宇宙を引き止めようとする暗黒物質の引力と、
宇宙を引き離そうとするダークエネルギーの斥力の闘いで決まる。
さて、最新の観測結果によると、
我々の宇宙は現在、膨張速度を加速させているらしい。
これにより、(1)ビッグクランチの線はほぼ消えた。
果たして(2)ビッグチルか?(3)ビッグリップか?
暗黒物質の引力が粘るか?
それともダークエネルギーの斥力の圧勝か?
今後数千億年、片時たりとも宇宙から目が離せない。