
私は秋になってほしくない 派!
夏の灼熱の太陽は燦々と眩しくて、
そして私の隣りには、いつもあなたがいた。
ただそれだけで良かった。
けれど私は、信じることが出来なかった。
生まれて初めて感じる幸せ、それが不安で怖かった。
「ねえ、私のことが好き?」
でもあなたは何も答えてくれない。
ただ優しく微笑んで、私の瞳を見つめるだけ。
「こんな身体になっても、私のことを愛してくれる?
お願い、答えて―――――」
そしていつもそこで、
私はメモリースリープから覚めてしまう。
それは500年も前、遥か遥か追憶の彼方。
もうこの世界に、永遠に夏は訪れない。
短い秋と、長い長い極寒の冬を繰り返すだけ。
けれど私は、あの夏の日を忘れない。
ほとんどが機械となった私の身体。
それでもあなたの温もりが、消え去ることはない。
あなたが好きだよ、いつかこの身体が停止しても。