ガンを”匂い”で発見する研究が進んでいるらしい。
毛虫の一種センムシは、
犬に匹敵するほどの嗅覚を持つ。
被験者から尿を採取し、センムシの前に置くと、
ガンの”匂い”に反応して寄ってくるというのだ。
先日、テレビでそのことが紹介されていたのだが。
「ガンには”匂い”がある」……(命題A)
そのことに出演者一同は、
まるで超常現象でも垣間見たかのように驚愕していた。
さて、そもそも”匂い”とは一体何であろうか。
空気中には、物体から飛び散った飛沫物質が、
常に至るところに漂っている。
それが鼻腔粘膜に付着、体内物質と化学反応を起こすと、
脳が”匂い”として感知するのだ。
よって命題Aは、以下のように言い換えられる。
「ガンには固有の発生物質がある」……(命題A')
奇怪でも不可思議でも何でもない、
ごくごく当たり前の話だ。