この世界には、星の数ほどの希望があり、
砂の数ほどの絶望がある。
内なる情動に駆られるがまま、旅人は歩む。
枯れ木のように細った足を引きずりながら。
頭上を仰げば満天の星空。
その瞬きは、手を伸ばせば届くかのように思えた。
やがて最期の力も尽き果て、
旅人は星々に手をかざし、力なく崩れ落ちる。
地にまみれた彼の身体にまとわるもの、
それは無数の砂。希望ではない、絶望だ。
間もなく息絶える旅人の手に希望はない。
しかしその瞳は、確かに希望を映していた。