この宇宙が終焉を迎える時、
もたらされるのは、果たして絶望だろうか。
否、私は思う。それは究極の解放だ。
明けぬ夜よりも短い、わずか220億年先のこと。
私を縛り付ける理不尽、不条理、目に見えぬ鎖。
がんじがらめに締めつけられ、呼吸さえ出来ない。
あてもない希望を待つより、
私はこの身が終わる刹那、その破滅の安堵を望む。
全天を覆う闇は星々を、全ての光を飲み込み、
鎖は放たれ、この身体は量子よりも小さく細分される。
私を縛る全ては粉々に砕け散り、
いかなる相互作用も自由を妨げることは出来ない。
この宇宙が終焉を迎える時、
もたらされるのは、果たして絶望だろうか。
否、私は思う。それは究極の解放だ。
明けぬ夜よりも短い、わずか220億年先のこと。