何も告げずに過ぎ去っていった夏。
最近、口癖のように独り部屋でつぶやいている。
「またカラオケに行きてえなあ…」
しかし、心のどこかで気付いている。
今カラオケに行っても、かつてのように楽しくはないだろう。
恐らく俺が恋しいのは、カラオケではない。
それは懐かしい友人たちであり、好きだった彼女であり、
輝いていたあの頃の日々そのものなのだろう。
LUNA SEAの「ROSIER」も、ラルクの「flower」も、
俺は一人じゃ歌えない。