諸事情あり、母の持ち家に一人暮らしをしている。
恐らくここが、俺の生涯の寝床になろう。
毎晩ベッドに沈み、天井を見つめ思う。
俺はここでこうして、ただ独り死んでいくのだろう。
ある人たちは、俺を憂いて言う。
「早く結婚相手を見つけ、家庭を築きなさい」
けれど俺は知っている。自分一人大切に思えぬ俺が、
誰かの人生を背負い、守り生きることなど出来やしない。
ラプラスの悪魔には見えていよう。
俺の鼓動はいつ尽き、そして呼吸はいつ止まるのか。
それが例えば、明日であっても構わない。
何十年にも渡り続く孤独。俺は想像したくもない。