【妄想劇場】 政治家ロボット | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

「政治家ロボット?」

「はい、大臣。
このロボットに搭載された人口知能の精度は、
人間の脳を遥かに凌駕します。
人間よりも客観的かつ精密な判断、
必ずや今の国政に必要となるでしょう」

「この、
1秒間に数十回程度の演算しか出来ないロボットがかね?」

「1秒間に数億回の演算が出来る人間が、
果たしていましょうか?
あるいは仮にいたとして、
それだけで国政が務まりましょうか?
このロボットの最大の特徴は”自発的・創造的思考”、
それこそが今まで誰も成しえなかった人間の脳の模倣、
そしてその超越です」



2XXX年、我が国の政治は完全に行き詰っていた。
汚職にまみれた無能な政治家たち、
それはもはや官僚のあやつり人形に過ぎなかった。

そして国政に人工知能が取り入れられた。
それにより、官僚政治は一掃された。
ロボットたちは官僚の数億倍の思考能力を有していたからだ。

我が国の政治における急務は経済政策、
国内産業の国際市場における競争力の強化であった。
政治家ロボットは機械工学、特にロボット工学を推奨した。

人間たちはただ言われるがままにロボット開発を推し進めた。
彼らはまだ気付いていなかった。
ロボットたちに自我、そして支配欲が芽生えていたことを…