「余命は3ヵ月です」
視界がすーっと遠ざかり、目の前が真っ暗になっていく気がした。
何故だ?俺はこれまで身を粉にして働いてきた!
課長昇格も目前だった!なのに何故今なんだ?
あと3ヵ月…俺に何が出来る…
仕事の引継ぎ…後任の育成…
いや、それよりもっと大切なこと。
俺はその日のうちに会社を辞めた。
息子のカズヤと遊園地に行った。
「パパ、高い高いして!」
重くなった…知らない間にこんなに大きくなったのか…
そしてカズヤはこんな風に笑うのか…
妻のキョウコと初めて行った海に行った。
2人とも、何も言葉を発しなかった。
妻は俺の肩に寄り添い、そしてただ泣いた。
俺はそっと妻の肩を抱き寄せた。
もし病に冒されなければ、俺はあと何年生きられただろう?
30年…いや、40年…
でもその間、俺はずっと仕事に没頭していただろう。
息子の笑顔も知らず。妻の涙も知らず。
「午後11時55分、ご臨終です」
ありがとう、キョウコ。ありがとう、カズヤ。
俺は世界一の幸せ者だった。
そのことに気付かせてくれてありがとう。
視界がすーっと遠ざかり、目の前が真っ暗になっていく気がした。
何故だ?俺はこれまで身を粉にして働いてきた!
課長昇格も目前だった!なのに何故今なんだ?
あと3ヵ月…俺に何が出来る…
仕事の引継ぎ…後任の育成…
いや、それよりもっと大切なこと。
俺はその日のうちに会社を辞めた。
息子のカズヤと遊園地に行った。
「パパ、高い高いして!」
重くなった…知らない間にこんなに大きくなったのか…
そしてカズヤはこんな風に笑うのか…
妻のキョウコと初めて行った海に行った。
2人とも、何も言葉を発しなかった。
妻は俺の肩に寄り添い、そしてただ泣いた。
俺はそっと妻の肩を抱き寄せた。
もし病に冒されなければ、俺はあと何年生きられただろう?
30年…いや、40年…
でもその間、俺はずっと仕事に没頭していただろう。
息子の笑顔も知らず。妻の涙も知らず。
「午後11時55分、ご臨終です」
ありがとう、キョウコ。ありがとう、カズヤ。
俺は世界一の幸せ者だった。
そのことに気付かせてくれてありがとう。