単行本を買おうスクラッブ・アンド
第153回芥川龍之介賞選考委員会が七月十六日午後五時から東京・築地「新喜楽」で開催され、受賞作は羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」と又吉直樹「火花」でした。
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文芸春秋9月号掲載の羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」を読みましたが久しぶりに快活な小説と出逢えました。この小説に対して多い批判は書かれている世界が小さい。まだ認知症に至っていない祖父じいちゃんと、ぼく主人公の健斗と母親であるお母さんの三世代が描かれています。純文学に馴染みの少ない介護の世界が描かれています。ほのぼのとしたユーモアが感じられる小説でした。健斗のありきたりの生き方に素朴に心を揺さぶられました。記録と記憶にとどめるために単行本を買おうと思っています。純文学の小説を買うのはいつ何以来になるのだろうか。