ジャムは最も「英国っぽい」バンドのひとつだ。
彼らの存在はBritish Rockというよりも漢字で「英国」とキチンと記した方が感覚的にしっくりする。

何で「英国」なのか。それはすなわち我々アジア人が逆立ちしても何しても得られない何かをポールウエラーに見せ付けられるから。

モッズのファッションにその細い体を包み、晴れる日の無い英国で代々育まれたであろうどこか鬱々とした、それでいて端正なルックスと共に届けられるシンプルな音源とビートで聞く者をどこまでも乗せていってくれる。

元来モッズは主流へのアンチの毒を含んだスタイル。
リベラルの象徴であった長髪・ヒッピーに対して短髪・三つボタンのストライプジャケット。
おまけに靴はコインローファーを自分の目ん玉が映るくらい磨きこんでいないといけない。

精神はリベラル、スタイルは英国貴族を気取るわけである。

日本人の中にもモッズを気取りたい若者は多い。
しかしいくら細身でストライプジャケットを纏っても日本人でモッズが似合う男を今まで見たことが無い。何かが決定的に欠けてしまっている。
モッズといえば、昔の名作TVドラマ「探偵物語」(皆さん覚えてますか?)での松田優作である。
あの探偵物語の「工藤ちゃん」(=松田優作)はむしろ別のゴールを目指していたようで、それはそれで完成度も高く、カッコ良かった。

さてジャムはそれほど長続きせず解散し、ポールウェラーはスタイルカウンシルというデュオを組んでリベラルから一線を画した音楽に走って行った。

彼も30代になり(調査してない)成熟してしまい、もはやJamのスタイルを維持することの限界を超えてしまったんだと思う。
ジャムを解散した後のポールウェラーへの評価はそれほど悪くない。ヒット曲もある。

ただ自分からそこにジャムの頃、あんなに輝いていたポールウェラーの存在感は全く消えている。

The Jamはそれほどに輝いていたのである。


Eton Rifles