今日はバイク一切関係ありませんので、興味のない方はスルーして下さい。

 

うちで飼っているカブトムシのお話です。

どちらかと言うと自分の思いを書き留めておく事が目的です。

 

7月24日早朝、庭のシマトネリコで樹液を吸っていた6匹のカブトムシ。うちではカブトムシが飛来してきた事は無く初めて見る光景で驚きでした。若干興奮しましたが、もう自分は大人だし放っておこうと思いました。

ところが、見かけた1、2時間後にほとんどが鳥に食われてしまい、唯一羽に傷を負いながら生き残ったオスが木の根元にいました。捕まえてシマトネリコの幹にはりつけてみると、すぐに樹液を吸っています。その生きようとする姿を見て、長く生きれるかわからないけど、飛べそうにもないし小学生の時以来でしょうか、少しわくわくした気持ちで飼う事にしました。この時は先の事など考えていませんでしたが、このカブトムシとその後2カ月半ちょい自分の部屋で暮す事になりました。
ネットで色々調べ、ダイソーで昆虫ゼリーやらマットやら飼育ケースやら一式を購入しました。
この後、飼育しているうちに買い足したものもたくさんありました。
翌日もシマトネリコにメスが2匹、よく見たらもう1匹いたので、再度100均でケースを買って、鳥にやられない様に一旦保護をしました。(同じ木に鳥が巣を作っていたので)
その後は雨が降る日が続いたのもあるのでしょうか、カブトムシが飛来してくる事はありませんでした。
最初は別々の容器で飼うつもりでしたが、ペアもしくはオス1メス2で飼った方が良い様なネット記事を見て、今振り返ると(後に逃がす事になる為余計な事をした)失敗したと思いますが、メス2匹をオス1匹と同じ容器に入れる事にしました。そうしたら30分もしないうちに交尾をしたのには驚きました。
毎晩、羽音やなんだかわからない音がし、飼育ケースからの脱走が3匹とも1度づつ。夜中に脱走カブトを探すと本箱の隙間にいたり、私のベッドの枕の隅にいたりでかなり驚かされました。止まり木によじ登って角で蓋を開けたのでしょう。羽にケガがあるオスは飼育ケースの真下にあるコンビニ袋に入っていました。活発で羽の怪我は見た目ほど悪くない様です。
 
7月28日の夜中、急に思い立って3匹とも自然にかえす事に。
メス2匹はシマトネリコの幹を足早に登っていきすぐに飛び去りました。暗かったのでどの方向に行ったのかもわからずにすぐに視界から消えました。もしかしたら近所のコンビニの明かりに向かっていったのかも知れません。心配でありながらも、あっけない別れでしたが、これで良かったのでしょう。
オスのほうは登ったままじっとしていましたが、連日の睡眠不足のせいでとても眠かったので一方的に別れを告げ見送りもせずに部屋へ戻りました。翌朝、無事に飛び立った事を願って見に行くと木より少し離れた地面にオスがポツンといました。
やはり羽の傷が原因で飛べなかったのでしょう。なんとも複雑な気持ちでオスを飼育ケースに戻しました。
今思えば、保護した日からオスの運命はうちで天寿をまっとうする事と決まっていたのかも知れません。
結果からになりますが、メスは毎日ケースの中でブンブン飛んでました。
羽に傷があるオスは私の飼育中一度も羽を開く事はありませんでした。
 
その後、1匹となったオスは誰もいないし誰も来ないという状況を理解していないので、深夜に求愛音を出して、これがけっこううるさくて困りました。9月初旬までは続いたと記憶しています。
その癖、神経質で昼間見かける事はありません。20時でも21時でも照明が消えると敏感で、すぐに落ち葉の下からゴソゴソ動き出します。
私が見かけるのは、朝といっても4時とか5時。その時間はまだゼリーを食べている事があるからです。それでもすぐに照明を嫌って落ち葉の下などに隠れてしまいます。
 
カムトムシは大食漢でゼリー1つ位は1日で食べてしまう様ですが、うちのは元々ゼリーをよく食べる方ではなかったと思います。
9月の中旬頃は1日でゼリーが半分くらい減っている感じでしたが元気そうでした。
10月になると、食欲が大分落ちていて1/3食べれば良い方でした。
翌週にはほとんど食べていない日が多く、朝も見かける事が減り、前足が折れ曲がったままになっていたり、そろそろ寿命が近いのかと心配する毎日になりました。
 
今日は、今まで昼間見かける事がなかったのに、飼育ケースの中を歩きまわっています。
ゼリーは全く食べません。ひたすら歩きまわります。飼育ケースのカドから上の方に行きたそうに前足を掛け半立ちになりますが、そのうちにひっくり返ります。ひっくり返ると自分で起き上がる力はもうない様です。何度か起こしてあげての繰り返しで良く見ると後ろの片足が欠損していました。掴まる力が極端に失われてしまっています。
 
8時間以上経っても、多少休む程度で歩き回ります。死に場所を探しているのでしょうか。
歩き回るというより折れ曲がった前足と後ろ足の欠損のせいで、這いまわるといった方が見た感じ正しいです。
 
ショウジョウバエが沸くのを嫌っていたのもありますが、最後の晩餐になるかも知れないのでカブトムシが好み栄養価が高いというバナナを買いに行き与えてみました。
食べて持ち直してくれればというわずかな期待もむなしく、口を付ける事なくバナナの上を這って移動しています。きっと脳や体内で異常(老化)が起こっているのでしょうね。
 
この状況ですと、私が寝てしまえば、自力で起き上がる事が出来なくなり衰弱死してしまう事でしょう。
 
普段、ゼリーは3か所置いていますが、転倒防止やどれか1つでも食べてくれたらと思い今日はいつもより多く置いています。(角のエサの斜め木はこのあと転倒防止のため撤去しました。)
うちは数年前にワンちゃんを病気で亡くしています。その時の心配や悲しい気持ちと同じかは計りかねますが、1つの部屋に2カ月以上も暮すと相手が昆虫でも切ない気持ちになる物なんですね。
カブトムシには、名前は付けませんでした。付けない方が良かったと思います。きっともっと切なくなるだろうから。
 
子供の頃に毎年捕まえては飼っていたカブトムシ。その頃は、夏休みも終わりだし死んで当たり前といった感じで大して悲しい気持ちはなかったと思います。
大人になって飼うと違うもんですね。知識があるだけに世話をやきすぎたり、心配したり、責任を持ちすぎたりで、その分愛着が増してしまった様です。今は悲しい状況だけれども、今日までの事をこうやって思い起こすとカブトムシは大人になっても魅力的な生き物だったと思います。
早ければお盆の頃には寿命を迎える個体もあります。うちのはそれより大分長生きをしてくれ、この歳になって予期せぬ良い経験と思い出が残りました。残念ながら今日明日の命かも知れませんが、最期までしっかり見届けてあげようと思います。
羽に傷があるカブトムシへ。ありがとう。