ちょっと緊張感みなぎった一幕を書きます。(長いです)
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土曜日の夜、工作教室から帰宅したルイはおもむろに宿題を始めました。
翌日に日本舞踊の特別稽古の予定が入ったので、「終わらせておいた方がいいよ」と声をかけると、「そうね~明日は一日、楽しい日にしたいし
」と、いそいそと宿題をはじめました。
算数や国語のプリントの多いこと![]()
すでにひらがなは全部習い終わったらしく、「、」や「。」の使い方や、簡単な文章を書く練習に入ったようです。
算数は足し算、引き算の文章問題がメインなようでした。文章問題が苦手なようで、見てすぐ「わからん~」と言います。へえ、と洗濯物を取り込みながら様子を見ていると、寝ころんでみたり、天井を見つつ、また気を取り直して「え~と、女の子が5人います。あとから男の子が8人来て・・・」と読み上げて、式を書いて、こたえ「3にん」と書いてました。
人だと「にん」、果物だと「こ」、本だと「さつ」というのを覚えこませるための宿題なのかな
内容は簡単なんですが、扱う対象が、人だったり、果物だったり、動物だったりとバラエティー豊かです。国語の宿題と連動していて、「いぬが3匹、~をしています。」とか書いてました。
夫は同じテーブルの上でパソコンを使って仕事をしていましたが、ものすごく気になるようで、目がルイに釘づけ
です。口を出したいそぶりを何回かしていたので、ぽんぽん、と肩を叩いて放置するようにお願いしました。ルイ一人で宿題をした方が平和なのです。
夫としては、宿題は「学びを完璧に修正するための作業」らしく、ここで細かくきちんと学ばないと間違ったまま先に進んでしまう、と考えているようです。夫が子ども時代を過ごした集落には塾というものがなく、祖父母や親から勉強を教わったようです。なので、自分もそうするのが当たり前だと感じているようで。
でも、夫は頭の出来が違うので、勉強で困ったことがないのと、親子でバトルをした記憶もないのですよね。なので、またルイは夫とは違うタイプで、「教えてもらうやり方次第では、泣き叫んで荒れ狂う」のと、夫と娘は特性同志がぶつかりあいます。完璧さが身についていて引けない夫と、大ざっぱなルイの組み合わせは火と油です![]()
ルイも前回で懲りたようで、聞きたいことがあると「おか~さ~ん」と私を呼びます。
「これでどうかな
」
「いいんじゃない。すごくよく書けてるよ。この一つだけ、字が小さくなってるからもったいないかな。枠の右上にちまっとよっちゃってるよね。遠慮なくでかく書いていいと思うよ。なんだったら、消してあげようか
」
というと、おねがい~というので、消し消し。 ルイは50個同じ文字を書くとして、10個ほどはお手本を見ずに無意識に自己流で書いてしまうので、そこだけ極端に文字がおかしな出来になったりします。お手本を見て書くと、けっこう正確に書けてます。なので、一番極端で「こりゃ~絶対先生は見逃さないな」という文字だけ1つ2つピックアップして、ルイに書き直したらどうかと持ちかけます。
「右上に寄りすぎてるから」とか説明をそえておくと、プリントを見直して、「右端上にちまっと偏っている」文字らしきものを自分でも見つけて、2つ3つ、書き直していることが多いです。でもルイらしく、やや左端に寄ったものとか、やや上に偏ったものとかはスルーです
気が付いてないから。
夫としては、そいういうのも全部言いたいんですよね。もう、目が、「言え!言え!」って訴えてくるなんのって。私としては、10個のうち、私が指摘した1つと、自分で直した3つでもう4つも書き直してるから、十分だと判断しているわけです。しかも自主的に。それでいいんじゃないかな~と思うんですが、夫は「大人の目」で先生のようになってしまいます。
これは私の今の時点での考えなんですが・・・
「やや偏っている字」を大丈夫、と思っているルイの意識というのは、私としては大事なんじゃないかなと思っています。全部を「先生のように」厳しくチェックする目を、子供が持つのも技能的には高い物があって歓迎ですが、ルイはそれをやるには、まだ早すぎます。精神的なバランスを取りにくい子で、ゼロか100に偏りすぎる傾向のあるルイが、厳しくチェックしはじめると、宿題が楽しくなくなります。
案の定、ルイが寝た後に、「ちょっと話があるんだけど」と、宿題の件で夫の意見が噴出しました。「きたか
」って感じです。そりゃ~もう、ごはんの時間も、そのあとも「むっつり」して、自分の考えに没頭してましたから。周囲が全く見えなくなるぐらい、強い意見がある、ということです。で、その内容はというと・・・
・誰かがちゃんと教えてやらないといけない
・最初から、そういうきちんとする習慣をつけておくと、ルイが後で苦労しなくてすむ
・ほかの子がちゃんとできていて、自分だけできていないことに気が付いたら自己肯定感が低くなる
・宿題とは、そもそも学校で賄えない部分を家で復習して身に着けるものだから、あれでは復習にならない
という内容でした。
頑張って、ちゃんとメモとりながら話を聞きましたよ。夫の本気モードの時は、普通に対応していては「真面目に自分の話を聞いてもらえてない」と誤解して、怒りモードに突入することがあります
その誤解を避けたいので、ちゃんと真剣に聞いている、という態度を「メモを取る」ことで示す必要があります。あと、夫の意見を私が字にしておいて、私が意見を返す時に、夫がパニックしないように視覚的なツールにするためでもあります。
私が言葉で返すと、まず夫は「拒否された」とパニックを起こすことが多いです。そして意見を聞く前に話し合いがダメになっちゃうので。
だから、私の意見をまず、簡単にメモします。先にそれを夫に「これは私の意見なんだけど」と説明したい、ということを前置きして、読んでもらいます。
私の意見としては
・この家で、勉強を教えられる人員は私か夫である。私が教える場合は私のやり方、夫が教える場合は夫のやり方となる。(夫の希望を私が実現することは能力的に不可能)
・ルイの宿題は、平日5日分は学校のプロ(先生、大学・院生)から見てもらえる環境であまり心配してない
・国語や算数だけでなく、体育や音楽などすべての教科で優劣は出てくる。学年が上がると、科目によっては学力わけでクラスも編成される。それはどの子も同じ状況だし、凹みがあって良しと私は考えているので、どの教科も「できるように」とか「平均はほしい」とか、全く考えていない。ルイの場合は、性格的に自己肯定感は凹みを自然に受け入れて、凸部分を高く評価できている気がするので、それで大丈夫なんじゃないかと思える。
・週末の宿題は「一人でどこまでできるか」を見るための、ルイの学習状況と能力の観察用に使っている
・ルイは私から「教えてもらう」ことにまだ慣れていない。最近ようやく聞いてくれるようになってきた。なのでルイの要求に応えるだけにしている。ゆっくり、こちらから指摘しても拒否反応を示さないようになってきたら、もう少し慣れたら、関わりは深めていこうと思う。
というようなことを、ブレインストームに書いて渡して説明しました。もうちょっと、優しくいいかえてます
反論と取られると、内容に注視してくれなくなるので、私の背景と、技能で、できる範囲で、と繰り返して伝えました。
夫の反応は、というと・・・まあ、頭では、私のいう事もわかるようでした。けど、夫は人生の上で頭脳で社会で生き抜いてきて身を助けられているという自覚が強いので、ルイへのその辺の教育には妥協がないです。夫も0か100に走るタイプなので、説得にも根気が入ります。この1回の話し合いで解決できる内容ではないです。夫の「消化不良」はストレスとなるため、どこか落としどころが要ります。
なので、宿題というところを離れて、「私自身の気持ちと技能」という視点を、夫に強調しました。
私は勉強はコツコツ、努力してなんとかなるタイプなので、教えるほどの学習技能が正直ない。
塾へ行ったこともないし、独学なので、先生のような気の利いたスマートさがまずない。なのでルイにストレスをかけずに教えられる自信がないから、自分ができる範囲で今のところは対処している。
夫の希望はもちろん、できればそうできたらなと思うけど、ルイの今の状況と、教える側の私の能力とを照らしあわせると現実的に実行するのはかなり難しい。ルイも私も相当頑張らないといけないし、2人ともストレスになる。宿題が面白くなくなるかもしれないし、勉強を嫌いにさせるかもしれない。リスクが大きいので躊躇するし、私にその勇気がない。
どうしても、というのであれば、あなたにまかせたい です。 言う人がやるのが一番だと思う。
という、この一言がやっぱり効きました。
私の変わらない主張の一つに「言うだけでやらない、はだめでしょう。言ったら責任もって自分でやりましょう」というのがあります。指摘することは大事だ、と夫が考えているのはわかるのですが、指摘されたことを全部できる完璧万能な人はあまりいないと思っています。そして私は万能ではない。私の専門分野なら何とかなりますけど、教師の仕事は私の専門外です。
そして夫は、ついこの間、ルイに宿題を教えている最中に激高し、ルイは泣き叫ぶという修羅場を経験しています。そこを私に任せようと無意識に思っていることに気が付いてましたが、私にも引き受けられることとできないことがあります。
「こうすれば英語が上手に話せるよ、Rは舌をこうやるんだよ、やってみて。じゃあ次、~って言ってみて」と次々に指示して、「はい」と返事してすぐできるわけじゃないでしょ(夫は英会話が苦手)、と変な例えをしてしまいましたが、この下手くそな例えでさらに、私が教えることが苦手だということは伝わったようです![]()
あと、夫には安心させたくて言っておきました。
ルイは、ひとつひとつ、ステップを上がっていく子だと思う。保育園と幼稚園の4年間で、それを確信している。小学校でも、わずか2か月で、すごい成長を見せてくれた。
親が「ほらほら」と追い立てなくても、観察して、少しだけ小さい階段を先に、先に準備しておきさえすれば、どんどん登って行ってくれると信じてるし、たぶん大丈夫だよ、と。
夫も、過去の実績についてはしみじみ、よくやっていると感じているので(過去を振り返ることは夫には簡単だし理解しやすいみたいです)、そこで少し精神的に落ち着いてくれたようです。
あとは、夫の精神状態を乱さないように、ルイの週末の宿題は、工作工房に出かけた先でマクドナルドかどこかでやってから帰宅しようかな~と考えています。目に入ると気になる、という特性がこだわりとなってこの結果だし、私もうっかりしてました。この間父娘間の宿題バトルがあったばかりなのに・・・。私もものすごい緊張感でどっと疲れたので、あまりこういうシビアな話し合いは好んで増やしたくないです![]()