いよいよ大阪・京都食べ歩き勉強も最終日、残すところディナー一食となりました。



最後の食事の予約は今関西でもっとも予約の取れない和食店、「祇園 さ々木」です。



修行時代からここは有名でいつかは行ってみたい!食べてみたい!と思っていました。




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場所は八坂の塔のほど近く、老舗料亭、名店が軒をつらねる激戦区にあります。




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控えめな外観と看板をくぐると・・・・



ここからは撮影禁止とのことでしたので写真はありませんが、10メートルの一枚カウンターにお客さんがびっしり!ここは6時半一斉スタートのお店なのです。



どうやら私が一番最後だったようで、私が席に着くとドリンクを注文し、大将の佐々木氏から「本日はようこそおこしくださいました。全部で7品ご用意しておりますので最後までどうぞお付き合いください!」の威勢のいい挨拶がありました。



手際よくカウンター17人分の料理がはじまります。カウンター一杯にお皿や食材がテンポよくならびます。



先付けはレンコンの冷たい饅頭仕立て 中には白えびと羅臼産の生うにが入っていました。上からは冷たい出汁ジュレがかかっていてスプーンで食べます。   いかにも京都らしいあっさりした味付けでこれから始まるコースを盛り上げます。



二品目は岡山産のメスのたこ(1.5キロ)を7分炊いて4日寝かせたというほぼ生の食感の煮だこと夏野菜のマリネ。   たこは驚くほど歯ごたえがあり、生姜の風味がなんとも爽やか。付け合せのこれまたほぼ生の野菜ともよくあい、食欲が進む一品でした。



三品目はお椀。韓国産の鱧のお椀でしたが国産が本当においしくなるのは秋ごろからだそうでこのお店では今の時期韓国産を使うそうです。



四品目は大皿に盛られて出てきたこちらのお店の名物とも呼べるお造りです。

大分のアマダイをひと塩して4日寝かせたもの、大車えびのちょいゆで、そして沖縄の本マグロ大トロの握り寿司です。   この握り寿司をお造りにだすのがここ「さ々木」流で、塩と醤油で食べさせていただきました。



次は舞鶴から17こしか入荷のなかった天然の特大トリ貝の刺身です。目の前のまな板でパチーンと叩き、身がよじれる様をお客様に演出していました。



次は岡山港近郊でとれたアナゴの握り寿司。やわらかくて美味でした。



さらに「大間港の」生うにの握り。大人の親指よりも大きいうにを豪快に握ってくれました。日本でこのうにを食べさせてくれるところはここ「さ々木」しかないそうです。



五品目は目の前に七輪がおかれ、炭火が用意されます。そこに琵琶湖の天然の小ぶりの鮎が焼かれ、焼き立てをそのまま食べさせてくれました。たで酢などはなく、ふられた塩のみでも十分おいしく、焼きたてでジューシーでおいしかったです。



六品目は特大の黒あわびの塩釜焼き。コースが始まる前一人一人に生の現物を見せて回ってくれました。

ここはもうひとつ名物と呼べるものがあって、それは「ピザ窯」があることなんです。

和食店にピザ窯。一見何に使うのかと思うかも知れませんが、先ほどの黒あわびの塩釜焼きをこのピザ窯で焼くわけです。



目の前で焼きたての熱々を手際よく切り分け、肝のソースがかけられます。

なんとも言えない食感でおいしかったです。



七品目は見事なサシの入ったミスジと破竹やズイキなどの小なべ仕立て。あっさりした出汁はコース終盤でもすんなりお腹に入り、見事においしかったです。



止めはやはり目の前で炊き立ての土鍋ご飯を一口ずつ。しかも二種類。

先ほどのお造りのマグロの中落ちのズケ丼とごぼうご飯。しっかり3杯ずつ、計6杯頂きました。



デザートは太陽の卵、佐藤錦、夕張メロンのシャンパンソースがけと抹茶のムース。

さいごはさっぱりおいしい食事の余韻にひたります。  写真が撮れなかったのは残念でしたが、一皿一皿に大将のおもてなしの心を感じました。



時計を見るともう夜9時をまわっていました。新幹線の時間がある私を察して大将の佐々木氏が大通りまでタクシーを拾ってくれました。最後まで大将佐々木氏の心配りとおもてなしの心にただただ感動しきり。

また行きたいと思わせるお店でした。



今回の料理勉強で学んだことを自分の店に還元し、お客様の気持ちに立ち返って精進することを心に誓うばかりでした。



割烹 味香佐 公式ホームページ→http://www.kappo-mikasa.com/