窓の向こうには茜色に染まった夕陽 都会の海に飲み込まれていく
階段に二人寄り添って 何度この景色を眺めただろう
君の瞳はどこか遠くを見ていて 希望に満ちているようだったけど
細すぎる肩に いつも悲しげな影が差してた



気付けば蝉の声は聞こえなくなり 風は秋の薫りを乗せて吹いていた
歩幅の違う足並みで 漂う蜻蛉を追った多摩川の土手
水面に映る君はどこか切なく 波紋の渦に取り巻かれていった
その白い肌 光が透きとおって消えていく




襟元が湿った白いTシャツ 君のいた空間に余韻を感じて
「もう会えないの」 その言葉だけが僕の胸を締めつける
サヨナラの予感はしていたけど どうすることもできなかった
そう自分に言い訳して 明日を迎えよう




ウォークマンには慣れないクラシック 気分転換をしようと思った
君に勧められた曲になって また悲しみに暮れる僕、結局
目を閉じればいつも君がいて 背を向けどこか遠くへ去っていく
こんなこと繰り返して ずっと過ごしていくのかな




同じ月の下で君は何をしてるの そんなことばかり考えちゃって
何も手につかない 最期の冷えきった唇の感触を
僕はまだ忘れられずにいるけど これじゃ前に進めないよね
安心して行けないよね 光が射す方へ







解説
最初は景色を意識して書いていき、ネタ切れになってきたので感情を少し入れてみました。



彼氏か・夢実現か、悩んだ末後者を選んだ彼女。
何も聞いてなかったけど薄々気付いていた彼氏。
彼氏は感情を抑えて彼女を応援しようとする。
でも忘れられず引きずる彼氏...。



ちょっと量的に物足りないかな~と思ったけど、友達から初めてお褒めの言葉をいただいた詩です。
語数を意識しました。