先日地元のお祭りに鍼灸マッサージ師会として出店し参加した。


毎年のことながら諸先生の腕前は素晴らしくて、「あっ、すごく良くなりました。」とか「先生はどこでやってらっしゃるんですか?」などと声をかけられていたが、私の鍼灸施術にはついぞお褒めの言葉は無かった。


そんな風だから、お祭りの際にはなるべく施術には関わらず、案内係を主に行うことにしている。



私が長く手がけている主な手法は鍼灸でもマッサージでもない。


親指で背中のツボに軽く触れてツボの反応を利用して主な筋肉を調整する方法だ。


両側にある一組のツボ、一組の筋肉を調整するのに30分から40分はかかる。


それが気に入っている奇特な方が来院して下さっているわけだが、


そういう方々もだんだんと年齢が上がり、


筋肉を調整しても関節が硬いために効果が上がりにくくなっているのではないか?と思われる方が出てきた。


そこで、関節を緩める技法を数年習い、これまでの手法に加えることにした、。


本当に症状が悪くなっている方には効果があったものの、他の方からは特に褒められることはなかった。


どちらの技法も時間がかかるので、ただ施術時間が長くなり迷惑をかけているだけではないか?と疑心暗鬼に陥ることも有り、


「この関節を緩める方はやめた方がいいですかね?」などとお伺いを立ててみると、


「いや、やってもらった方がいいでしょう。」とは言われるのだが、あまり釈然としなかった。



本日、数年ぶりにおいでになった方に、「これは前にはやりませんでしたよね?」と言いながら、脊椎の関節を緩めていると、


「すごく響きます。すごく変わってきた感じがします。これはいいです。」と何度も言われた。


しかし根が貧乏性なので俄かには信じられないのと、やはり従来のやり方の方が大事なのだという想いがあり、素直には喜べず、


「この関節を緩める技法で身体の形も綺麗になるんですけど、何故かツボの変異は調整されないんです。だから長期的な効果を望むには従来のやり方の方が大事なんです。」などと言ってみた。



人体には各種の層が有ると思っている。


骨格や関節やその周囲の靭帯などの領域。筋肉の領域。神経の領域。などだ。


そのどの部分が主に障害を受けているか?で、アプローチの仕方が変わって当然なのだが、各種の技法を習得するのは大変なことだ。


もっとも、どの技法であれ達人になるとあらゆる領域に効果をあげられるようになるらしく、一つの技法を極めなさいと言われることが多い。


私の場合、一つの技法を極めたとは言えないのだが、まあ自分の能力としては頭打ちかな?と思っている。


そんなわけで違うアプローチの仕方をいくつか組み合わせようと考えている。


長く手がけている筋肉の調整法、数年手がけている関節を緩める技法、これに経絡調整を加えようと努力している。


通常は技術の向上と共に施術時間が短縮する筈なのだが、私の場合むしろ時間は増えている。


経絡調整の達人は五分ほどで施術が終了するらしいのだが、それまでになるには相当時間がかかるのだろう・・とすると、また施術時間が増えてしまうことになる。。


患者さんに苦にされなければ・・・長くてもいいかな?と思っている。