火曜日、たえさん のお家のじゅっちゃんが虹の橋へと旅立ちました。2009年の秋、車の行き交う道路でたえさんに助けられたじゅっちゃん。元のお家に戻ることはなく、たえさんご一家というそれはそれは素晴らしい家族ができました。前日体調変化があり、病院で肺水腫と診断。ちっちゃな体でとても頑張りました。朝、たえさんがお迎えに行くよって言ったのに、早とちりして虹の橋の方向に行っちゃったようです。じゅっちゃんったら、もう、おっちょこちょいだぞ。...なんて言ってみても悲しみは変わりません。また会いたかったよ、じゅっちゃん。2年8ヶ月、じゅっちゃんはとてもとても幸せな時間を過ごしました。じゅっちゃん安らかに。
こうして、人間の欲や勝手で犠牲となる動物だちを救うために動いている人たちがいる一方で、現実の難しさを感じた、こんなやり取りが今週会社でありました。
登場人物
:Jill、
:会社のおじさま、
:太郎(仮名)おじさまのヨーキー、
:ショップのパピー
「
(写真)見て見て。どう?」
「あらまかわいい、どしたんですか?」

「え?は?え?」
「お店でねぇ。太郎にどうかと思って。」
「何か月ですか。」
「2ヶ月」
「それってぎりぎりですよね。」
ってか、まだ2ヶ月なのに割引って何?一体いつからお店にいるの!
といった怒りを抑えつつ、生後8週間以内で親・兄弟から離すことのリスクなどを簡潔に説明。
「え、そうなの?」
「男の子ですか?」
「ううん、女の子」
「あれ、太郎って去勢してますっけ?」
「してないよ。(ニヤニヤ)」
「もしかして産ませるんですか?パピー達のお家、ちゃんとあてはあるんですか?」
「2、3匹でしょう?大丈夫だよ。」
って、何が大丈夫なんじゃい!
「何おっしゃいますか。5、6匹は産まれますよ。」
「えー!それは多いなぁ。」
「パピーみんなおじさまのお家で暮らせばいいですよ。(ちょっと嫌味)」
「いやー、それは多すぎるなー。」
どうやら自分のところに置いておくつもりだったらしい。
「おじさま、太郎ちゃんパピーから迎えたんだし、もうパピー十分じゃないですか~。私やMちゃんにショップで買うと言ったら(保護犬の)レクチャーしちゃいますよ~。」
「あはは。3ヶ月くらいしないとわからないから、後1ヶ月してまだいたら、ね。」
え?後1ヶ月、何を待ってるの?顔?性格?
このおじさま、優しい方です。太郎ちゃんもとても可愛がっています。だからパピーを迎えても可愛がってはくれるでしょう。それはそれでいいんです、ショップの子たちだって同じ大切な命ですから。
でもね、太郎ちゃんを迎える前、私や同僚のMちゃんは保護犬を勧めたんです。その時、おじさまは「保護犬も検討したけれど、男の一人暮らしだからダメだって言われちゃったんだよ」と。詳細は知りませんでしたが、一緒にもっと調べますよ、と申し出たのですが、気がついたら太郎ちゃんの写真がメールで送られてきました。
確かに単身者ということで里親候補から外されることもあります。人間の勝手で何十万という数の尊い命が失われる中、各団体がやっと救った命。私のようにセンターに行く勇気のない人間に代わって、辛い選択をされているんです。そうした中でやっと救った命を、できるだけ留守番が少なく理想的な家族体系のお家に迎えてほしい、そう思うのは当たり前だと思います。傲慢?いいえ、Jillはそう思いません。それだけの汗、涙を流して助けてくれているんです。だから、気持ちは十分理解できます。もちろん人間同士のやり取りですから、合う合わないはあります。でも団体は一つじゃない...。お家を待っている子はたくさんいるんです。Jillは幸せなことにVincentを託してもらえました。でも、仮に「ごめんなさい...」と言われていたとしても、Jillでも託してもらえる子に出会えるまで諦めるつもりはありませんでした。
だから、おじさまにも諦めてほしくなかったんです。でも太郎ちゃんを大事にしているならそれはいい。でも、でもまさか2頭目をショップから、しかも何もわからないままただ単に赤ちゃん産ませたいからなんて...。
何もしていないJillが偉そうなことを言うつもりはありません。ただ、一度でも保護犬をと思ってくれていたのに残念だなぁ、と思わずにいられませんでした。業務上絡みのある方ということもあり、正直あまり「保護犬を、保護犬を」としつこくはできません。それに、おそらく彼の頭の中はすでに決まっているのでしょう。あぁ、太郎ちゃんが来る前に、Jillは何を言えばよかったんだろう、何をすればよかったんだろう、と今更ですが力不足を感じました。あ、太郎ちゃんが幸せなことは別ですよ。
ふと気付けば、3年前の昨日はVincentと初めて里親会で対面した日です。ドキドキしながら会場に入りかるころさんとルネ(仮名)の横に2時間ほど、まるでスタッフよろしく、ずっと座ってました(笑)。懐かしいなぁ。
ショップの子だって、どんな子だって、大切な命。最期まで責任を持って愛してくれるならばいいんです。だからショップからパピーを迎えたからって避難するつもりは全くありません。ただ、保護犬・猫が減らない現状の中、是非とも彼らにも目を向けてほしい、検討してほしいな、そうは思います。パピーから一緒じゃなくても、みんな想像以上の愛で私たちの人生を豊かにしてくれるんだよ、ということを知ってほしいです。
なんだかまとまりもなくタラタラ書いてしまいました、すみません。でもまだ書き足りない気がします。なんかね、おじさまの件でなんか切なくなっちゃって。
「保護犬・保護猫」という言葉が、存在がなくなってくれる、そんな日本になる日が来るといいな...。