太宰府の梅ヶ枝餅
先日、身近な友人が太宰府を訪れた。
事前にその知らせを受けた私は、古いお守りと梅ヶ枝餅の土産を頼む。
これはそのお土産である。
太宰府には昔から何がしかの縁がある。
初めて接したのは、中学時代に悪友が帰省の折に買ってきてくれたお守りだった。実際に訪れたのは高校時代の修学旅行で。
そのあと、有志を募って卒業旅行で足を運んだのも太宰府だった。その後も出張や、知人を訪ねた折も太宰府に立ち寄っている。つまりはかれこれ10回近くになろうか。 九州でもっともたずねている史跡かもしれない。しかしながら、京都の北野天満宮は一度しか訪ねたことが無い。
それだけ行き慣れた場所であるによって、ご贔屓の店もあったりする。
太宰府の名物といえば、梅ヶ枝餅。参道に並ぶ店の多くで売られており、それぞれに味が異なる。そんな中で私が好みとしているのが「甘木屋」さんだった。
甘木屋さんは、参道の最も奥にある鳥居の右側にある。
何度行っても印象的なのは、おばあちゃん達がせっせと作っている様である。
そもそも梅ヶ枝餅の由来も老婆だった。
太宰府に赴任させられた菅原道真が、安楽寺の門前で餅を売る老婆から、元気を出すように、と差し入れられたのが始まりと伝えられている。そして道真の死後、老婆は梅の枝とともに墓前に供えたという。
(この安楽寺は現在の太宰府天満宮の本殿があるところで、道真を埋葬した場所に当たる。江戸時代までは安楽寺天満宮とよばれていたが、明治の廃仏毀釈によって、神仏分離が行われ、太宰府天満宮となった。)
学問の神様で知られる太宰府天満宮の名物ということで、都心でも受験のシーズンになると冷凍になった梅ヶ枝餅がスーパーに並ぶ。
こうなってしまうと、売っているのはレジスタッフということになり、老婆(の場合もあるだろうが)ではなくて、高校生のアルバイトということもありうる。果たしてこれはご利益になるのだろうか。
味もさることながら、やはり伝統どおりに、おばあさんが売ってくれる梅ヶ枝餅が一番ご利益がありそうだ。