なぜ「右」?~習志野文化ホールのオルガン | blog.正雅堂

なぜ「右」?~習志野文化ホールのオルガン

午後から、地域ボランティアで、コンサートホールのステージツアーをお手伝いすることになり、今日はその打合せ。 来週は仕事は夏休みを取得し、このボランティアに専念する。 久々の現場仕事だ。



パイプオルガン


このホールは、私が生れて始めてパイプオルガンの音色を聞いた思い出深いホールであり、何といっても緞帳が美しい。作者は時田直善氏。地元の病院にいくと、この緞帳の原画が飾られていて、なんとも美しい。

何とかこの絵が手に入らないかと思うのだが、どうやら今回の仕事でその写真を撮れそうだ。

撮ったら、絶対にPCの壁紙にするだろう。

(ちなみに今日は緞帳を拝む機会に恵まれなかった)


パイプオルガンは、旧西ドイツのヘルベルト・フォン・ベッケラート社の楽器。27年前の金額で約1億3千万円。

パイプ数はおよそ3512本。 NHKホールの7000本に比べたらその半数の規模であるが、音響効果から考えると、恐らくこのホールのほうが格段によいと思われる。 とはいえ、良くも悪くも無い、ごく平均的な音色である。


オルガン内部  オルガンコンソール裏  

オルガンの内部(左・パイプ 右・コンソール裏)

当時はNHKホールに次ぐコンサートホールオルガンであった。

マリー=クレール・アランをはじめ、多くの著名オルガニストもここで演奏している。

ホールの音響効果については、NHKの放送技術研究所の指南によって設計されたらしい。


だが、一つ疑問がある。 このオルガンの位置であるが、どうして舞台右にあるのだろう。

NHKホールも、新宿文化センターも、皆このホールと同じ右側、つまり舞台上手に設置されているのだ。

逆に、舞台下手に設置されているオルガンが極めて少ない。


NHKホール  

(NHKホールのドイツ・シュッケ社のオルガン)

新宿文化センター

(新宿文化センターのフランス・ケルン社製オルガン)



その後、サントリーホールや、大阪のいずみホール、東京オペラシティ、札幌キタラなど、正面に設置されたオルガンが増えたが、これらはどれもクラシック専用ホールであり、オペラから講演まで対応しなくてはならない多目的ホールとしては、正面にあることは甚だ都合が悪い。だから舞台袖に建造されることは理解できるが、それにしてもなぜ「右」なのか。