日本の呪いが海外出張しました! ハリウッド版呪怨 ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 (2020年) | サブカルさぬきうどん

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これまで見てきた映画(主にJホラー)やアニメの感想の備忘録。あと温泉とか

 

みなさまお久しぶりです!!

 

2020年にハリウッド版呪怨として公開されましたザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷を先日鑑賞いたしましたので早速レビューしていきますよ。

 

 

 

・あらすじ

森林地帯で車に乗った状態の変死体が発見された。
一報を受けて、マルドゥーン刑事(アンドレア・ライズボロー)は、グッドマン刑事(デミアン・ビチル)と共に現場にかけつける。
道路が閉鎖されていたこともあり、死体は何ヶ月も放置され腐敗していた。遺された所持品から死体の住所が明らかになる。
“レイバーン通り44番地”__そこは、2年前にグッドマン刑事が担当し、いまだに強烈な印象を残している「ランダース事件」の現場……。
過去の事件と死体との関連性を疑ったマルドゥーン刑事は、単身でランダース事件の舞台となった屋敷を訪れる。
そこで彼女はただならぬ存在の気配を感じるのだった……。

 

(あらすじ参照元)

 

 

 

まず最初に言っておきますとこの作品には伽椰子や俊雄の2人は登場しません!!!!

 

これにはびっくりしました。

 

というのも本作の宣伝ポスターのシャワーを浴びている女性の頭から手が生えている画像を往年の呪怨ファンの私が一目見た時、日本の劇場版1呪怨のシャワーシーンのオマージュだなと確信していたため本作にも伽椰子が出演するものと思い込んでしまいました。

 

 

 

↑ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷のシャワーシーン。

 

 

↑劇場版1呪怨のシャワーシーン

 

 

日本版呪怨では奥菜恵がシャワーを浴びている時に背後から伽椰子が髪を触ってくるわけですが、ハリウッド版では頭から手が生えてきておりなかなか強烈な絵面に仕上がってますね。

 

この辺の演出は洋画ホラーらしい外連味がたっぷり感じられ、これはこれでありだと思ったんですが、肝心の生えた手の主は伽椰子ではなかったことに落胆してしまいました。

 

作中の要所要所に伽椰子や俊雄を殺害し、呪いの元凶を作り出した佐伯剛雄の写真や呪いの家、呪怨オリジナルビデオ版のゴミ袋から手が飛び出てくるシーンもあって過去作オマージュをふんだんに取り込んでおり、呪怨特有の時系列がバラバラのオムニバス方式で進行していくストーリー構造などは原作に対する敬意はフィルムから感じ取れるのですが、ハリウッド版呪怨となれば観客は伽椰子と俊雄の2人の登場をどうしても望んでしまいますよね。

 

 

本作をざっくり簡単にストーリー紹介すると日本に来日していた外国人女性が伽椰子が殺された呪いの家を訪ね、その呪いをアメリカに持ち込んでしまい大変なことになりましたよという話。

 

前回のハリウッド版呪怨で既に伽椰子は海外出張を経験したので今回は昨今の在宅勤務ブームに乗じているのか呪いのみを海外に伝播させ、その犠牲者となった人たちを遠隔操作し呪いを強めていく方針に舵を取ったようです。

 

伽椰子さんもいろいろ大変ですねぇ。

 

呪怨として見ると拍子抜けしてしまう本作ですが、呪怨というシリーズであることを意識せず1本のホラー映画として純粋に本作を見ても本作はあまり面白くはありません。洋画ホラーと私の感性が合っていないというのも大きな理由ですが、それにしても恐怖演出が大味過ぎる気がします。

 

突然大きい効果音を出してびっくりさせたり、グロテスク表現と幽霊からのヨダレ攻撃といったような下品な恐怖演出のオンパレードで怖いというよりも汚いといった嫌悪感が先行しました。ストーリー展開も非常に淡々と物事が進んでいくので退屈。主要人物が屋敷の住人や関係者が立て続けに死んでいる謎を調査していくというストーリーも観客には既に呪いの家が全ての原因であることは分かっていますから、ミステリー要素としても不十分というか中途半端な印象。

 

邦画版呪怨のストーリーもあってないようなものではありますが、緊張と緩和のバランスがとてもうまくブレンドされており恐怖シーンもこれでもかというほど盛り込まれておりますので全然飽きることはありません。

 

 

突然のヨダレアタック

 

酷評まみれとなってしまいましたが本作には思わず感動してしまったシーンが個人的にございますのでそちらも少し触れさせて頂きます。

(グロテスク画像ありなので以下閲覧注意)

 

 

かなり以前にオリジナルビデオ版の呪怨がマンガ化されているのは皆様ご存知でしょうか?

 

この作品はオリジナルビデオ版で登場したカンナがどうして顎が無くなったのか、その後あの家族はいったいどうなっていったのかというところまで踏み込んで描かれているためオリジナルビデオ版の呪怨を愛している方にはぜひとも読んで頂きたいのですが残念ながらなかなか手に入りづらいです。

 

漫画版では最終的にカンナは狂った母親の手によってバラバラに解体され、鍋で煮込まれるわけなのですが、なんとこの母親自分の指まで包丁でザクザクと切断するのです!!!

 

↑オリジナルビデオ版で顎の無いカンナが帰宅してくるシーン。

 

↑漫画版。この後カンナの死体は狂った母親によって鍋で煮込まれることに。

 

 
 

 

 

 

今回取り上げましたザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷ではこの包丁で自分の指を切断するシーンも取り込まれていたため、スゲー――!!漫画版までリスペクトしてくれるなんて!!!!と勝手に1人で盛り上がってしまいました。いやー10年越しに見た漫画のこのシーンがハリウッドで映像化されるなんてほんと人生って何が起こるか分からんですね。(しょーもないところで感動するなって言われそう)

 

 

ということで今回のザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷の個人評価は 3/10

 

少し厳しめの評価を下させて頂きました。ではでは。