私の家には、トイレが二つある。


ひとつは1階、ひとつは2階に。




けっこう広くて、友達がきたとき、トイレ綺麗やね、おっきいねって言ってもらえると嬉しかった。




でも、今や、汚くて、臭くて、ムシムシしてて、誰も、近づきたくない。





私が最近吐いてるのは、上のトイレで、一階のより、小さい。





ブルーの壁紙は、飛び散った汚物で茶色くなってて、まともに掃除もしてないから便器の黒ずみが、スリッパのカビがどんどん増えていく。





吐く、という行為にしか使われてない。







だから、私の家には正常に機能してるトイレはひとつしかないのかもしれない。










夏場は暑いから、むしむしするから、吐いてる最中もちいさな窓をあけてる。



その窓は、ちょうど、スプーンやラップを突っ込んる時の私の顔の高さにある。









窓の向こうからは、中学校のグラウンドのネットと、体育館が見える。


音も聞こえる。






地元のその中学校に行ってれば、私はどうなってたのだろうと思う。
摂食障害なんてなってなかったかもしれないし、こうなってたかもしれないし、グレてたかもしれない。








中学校のネットよりも手前に、ベランダがある。

それは、父の弟であるおじちゃんの部屋とと、おじいちゃんの部屋のベランダ。




おじちゃんは、何らかのビョーキで、家にいる。




精神が、おかしいのだと思う。





東京で働いてたらしいけど。






ビョーキ、どんなんだか知らない。








わかるのは、病歴が私の人生より長いってことと、仕事を辞めるほどのモノってこと。







とにかく、窓の向こう、すぐそこはベランダ。








私が吐いてるとき、おじちゃんの部屋の窓がカラカラとあいて、大音量で付きまとう音楽と一緒におじちゃんが出てくる時がある。





その逆もあって、トイレに行くと、おじちゃんがベランダにいたってこともある。









とにかく、私は、すぐそこにおじちゃんがいるってことに気づいてる。






暑くなるまで、窓を閉めてたから、それまではどうだったかわからないけど。





おじちゃんが、私に毎回気づいてるのかは、わからない。






でも、慌てて、キョロキョロするなんてことも、はやめにタバコをすい終えるわけでもなく、いつもどおり、いつものスピードで、いつもと同じようにタバコを吸い終えて、また、カラカラと部屋の中に入って行く。








おじちゃんは、大音量で音楽を聞いてるから、私の発する汚い音に気づいてるのかはわからない。











私は、何が辛いのだろうか。それもわからない。




学校でイジメられてるわけじゃない。


特別に勉強ができないわけじゃない。





特に、辛いことがあるわけじゃないのに、何となく、なんとなくで、学校も休みがち。勉強もしない。何にもしない。









食べて、食べて、食べて。






痩せて、どうこうしたいっていう目標があるわけじゃない。



可愛くなりたい、彼氏が欲しい。褒められたい、おだてられたい。






どれも、否定するわけじゃないけど、そのためだけじゃない。






よく、何がストレスなのって聞かれるけど、ほんとに私にもわからない。





ストレスなんていう大層なものはないのかも。




甘ったれ。

逃げてるだけ。






私は、毒を吐いてるのかとも思ってた。




冬場、寒くて寒くて、でも吐いた汚物はあったかくて、体温を感じたもあった。








でもやっぱり、毒を吐いてるっていう意識が、あった。





でも、あの行為が毒吐きだとしたら、私は嘔吐の度に、毒を吐いて、もっと強烈な毒を吸収してる気がする。





これで最後って、何回誓ったかわからないけど、ことごとく破り捨ててきた。




その誓が、思い出されることは少なかった。














眠いですね、こんなじかんですから。






読みつかれた頃でしょう、ええ。



最後に、私のお気に入り画像(笑)













ジブリけっこう好きです。


コクリコ坂からとか、ハウルとか、魔女の宅急便とか。






風立ちぬ、早く見たい。






おわり



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