忘れない、春。 | 月と麦酒

月と麦酒

食卓の日乗と世界の酒場巡り

久しぶりの更新です。
様々な記事、被災地入りをされた支援者の方々の手記などを拝読し、自身どうすればよいのか、考える日々を送っておりました。
明日には卯月。春。
幼少のころより「 春 」という季節、少し切ないような苦しくなるような。。体が弱かった私にとってはそんな季節でした。景色も人も眩しすぎたのでしょう。自室の窓の向こうに父が私の記念樹として庭に植えてくれた桜。その桜の花が咲くことが数少ない春の喜びでした。
それでも春は毎年、あたりまえの顔をして訪れる。そしてそれが「あたりまえ」のようにも思っておりました。しかし、大きな災害のあと、こんなにも春は待ち遠しいものなのか。あたりまえのことなど、何もないのだ、と今更ながら思い知らされています。暦や気候の上では春は訪れているけれど、春は自分で招くものなのかもしれません。

のびる、よもぎ。お義母さまから心のこもった春のお野菜便。
待ちわびる春の香りに勇気のようなもの、いただいて。
$月と麦酒

$月と麦酒
春の香り、のびるを塩糀漬けに。

$月と麦酒

$月と麦酒
よもぎのシンプルサラダ。よもぎは生でいただくと薬効がますのだとか。


災害の後、自分にできることの選択がとてもわずかでしたので、私は実家の父、母に義援金を送る団体について相談をしました。
「「 今 」はとても大事、けれど、「 忘れないこと、続けること 」はもっとずっと大切なのだよ。」と父。
「 世界中のさまざまな問題はもちろん今回の災害は何年、何十年の長い戦いになる。だから君も長く長く続けるように、私も続けていくから 」と。両親は私が幼い頃より今もずっと様々な寄付を続けておりましたので、父のその言葉は強く、痛いほど響くものでした。

「 忘れないこと、続けること。」

$月と麦酒