タロットお勉強ブログらしく、カードの考察なんてしてみましょう。
第2回目は、魔術師さん。
タロットカードは、愚者(0番)の旅を描いている、なんていわれておりまして、旅立った愚者さんが最初に出会うのが、魔術師(1番)なんですね。
魔術師のカードを見ると、意外と? 華やかなんですね。
周りに花が咲き乱れていて、赤と白の衣装を着た若い男性が右手を挙げています。
テーブルの上には小アルカナの4つのスートをあらわす道具。つまり、四大元素を操れるってことをあらわしているんですね。
彼は無から生み出す、スタートするだけの知識や技術を持っている、なんでもできる人、なんて言われています。
現代日本では、見ることはない魔術師という職業。(私が知らないだけかもだけど)
手品師や魔法使いみたいなニュアンスで使われることが多いようですが、タロットで言うと、お医者さんや錬金術師が近いのかなぁ、というイメージを持っています。魔力のような、不思議な力を持っている人というより、めっちゃ頭がよくて、匠の技を持っている人、って感じ。
最近、異世界に現代人が転生したら、という小説や漫画が流行っていますが、あんな感じというのでしょうか、現代の知識や技術を持っているから英雄! みたいな。
魔術師さんは、きっと生まれつき、普通の人より秀でていたのではないでしょうか。そして、それに甘んじることなく努力を続けてきた。なぜなら、「できない」とは言えないから。
彼より知識や技術を持っている人間はいない。つまり、彼が医者だったとして、「父親の病気を治して欲しい」という少女に「なんの病気かわからない、治療法もない」と伝えるってことは、父親の命をあきらめてくれというのと同義語。彼ができないってことは、誰にもできないってことだから。
なので、「自分はなんでもできます」ってお顔をしています。
まだ若いので、年上の権力者に理不尽なことを言われることもあったかもしれない。
でも、はったりを利かせて頑張ります。
魔術師は逆位置になると、裏切り、怠け者、口先だけ、スタートが切れない、とかそういう意味になるそうです。頭のいい彼のことだから、わざとそんな振りをしているのかもしれません。自分の持っている知識や技術は、自分の心の正義に則ったものだけに使いたいから。
0から1を生む、空想の世界にしかなかったものを現実化する、という状態のたとえ話を。(あくまで私の妄想話です)
愚者:この前、カルフォルニアのディズニーランドに行ったんだよ!
めっちゃ楽しかった! また行きたいけど、遠いなあ。あれ、東京にも作りたい!
魔術師:いや、どこにそんな土地があるんだよ。
愚者:土地、ない? どこにも? 本当に……?
魔術師:え、うーん……お台場……いや……千葉なら、まあいけそう?
愚者:千葉なら日帰りでも行ける!
魔術師:いろんな人に頼んだり、めちゃくちゃ働いたりしないといけないから、大変だぞ?
愚者:頑張るよ! だって、東京にディズニーランドがあったら、きっとみんな楽しいんだよ!
いろんな人って、まず、誰に頼めばいいかな?
東京ディズニーランドがこんな風にできたわけではないだろうと思いますが。カフェでもパン屋さんでも、子どもたちのための施設でもいいんです。
リスクを考えず、「どうせ失敗するのに、バカだなぁ」なんて陰口も気にせず、軽やかに踏み出していく愚者くん。彼がいたからこそ種がまかれました。
けど、愚者くんだけだったら、空想で終わっていたかもしれません。知識と技術を持つ魔術師と出会うことで、具体的に進むべき道がみえてきました。そうして彼の「みんなを楽しませたい」という純粋なエネルギーは周りをグングン惹きつけていくことでしょう。
そして愚者は気付くんです。
自分の願望は、頭の中にあって、いつか消えてしまうものじゃない。
やり方次第で現実の世界に具現化して、叶うものなんだ、って。
タロットカードは、私たちの人生の旅を順序だてて描いたもの。
愚者は、あなたでもあります。