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vol.2162
古典医学の思想をじっくり学ぶ連載ロードマップ 全20回
第1回 東洋医学の根源にある易の成り立ち
解説のポイント 伏羲が定めた八卦の起源や、陽を表す実線と陰を表す破線の組み合わせを分かりやすく解説します。
第2回 天から地までを表す八種類の卦の意味
乾から坤までの八つの卦が持つ自然界の象徴と、それぞれの名前が持つ深い意味を紐解きます。
第3回 六十四卦の広がりと易経の成立
卦を二つずつ組み合わせる意味や、文王や孔子によって体系的な解説書が加えられた歴史を伝えます。
第4回 終わりなく巡る陰陽と季節の法則
夏至から冬至へと向かう卦の変化を例に挙げながら、常に変化し循環する陰陽のダイナミズムを解説します。
第5回 難経と傷寒論が語る陰陽の移り変わり
冬至の後に陽気が芽生える記述や、春秋の二分における気の離合について詳しく紐解きます。
第6回 臨床の土台となる陰陽の変化と交替
陰極まれば陽となり陽極まれば陰となる反転の法則や、寒熱が発生する相対的な関係を伝えます。
第7回 気がぶつかり合う陰陽相搏の世界
傷寒論の弁脈法にある記述から、陰陽の気が激しくぶつかり合って起こる発汗や発熱の病理に迫ります。
第8回 完全に分かれない陰陽中に陰陽ありの教え
五臓六腑の働きを例に、陰の中にある陽、陽の中にある陰という東洋医学独特の表裏の視点を解説します。
第9回 道教の哲学と古典医術の深い繋がり
老荘思想から始まる道学のルーツや、傷寒論の序文に登場する方術という言葉の歴史を紐解きます。
第10回 素問が説く百歳まで健やかに生きる道
上古天真論に登場する黄帝と岐伯の問答から、人間が本来持っている天年を全うするための知恵を学びます。
第11回 恬淡虚無という執着しない生き方と真気
老子の言葉と重ね合わせながら、物事に動揺しない心と真気を内に守る体の健康維持について解説します。
第12回 自然の動きに順う真人から賢人の養生法
四季の変化や八方からの風に対応し、名利に惑わされずあるがままに生きる古代の理想的なライフスタイルを伝えます。
第13回 神農本草経に学ぶ薬物と精神安定の歴史
上薬の筆頭である丹砂をめぐる歴史や、現代の臨床にも通じる薬物の作用と心身の調和について考えます。
第14回 古代の祝由から読み解く心と体の繋がり
移精変気論に記された呪法の本質を探り、病の原因となる患者の心理を読み解く重要性を伝えます。
第15回 大宇宙と人体を結ぶ天人相関の基本原理
自然を大宇宙、人体を小宇宙と捉える古典の基本思想と、環境の働きに逆らわない生き方を解説します。
第16回 十二刻の時間感覚と十二経脈の時間割
一日の陰陽分類を現代の時間に置き換えながら、朝方の咳や夜間の痛みが特定の経絡と連動している理由を明かします。
第17回 大陸の河川にたとえられる十二経水の世界
五音五色や十二経水という独自の観察眼から、中国大陸の河川と人間の経脈が美しく連動する姿を描きます。
第18回 河川を調えて海を綺麗にする経絡治療の真髄
小腸や膀胱の水道機能に触れながら、部分の凝りを取り除いて全体の循環を良くする治療の優位性を語ります。
第19回 四季の脈状と胃気が教える体の予後
春の弦や秋の毛など季節に応じた脈の変化と、健康の指標となる軟らかい胃気の重要性を解説します。
第20回 月の満ち欠けと陰陽の虚実を見抜く眼力
天候や月の状態に応じた治療の加減や、表面の症状に惑わされずに体の奥の虚実寒熱を見極める職人技で締めくくります。
第20回 月の満ち欠けと陰陽の虚実を見抜く眼力 天候や月の状態に応じた治療の加減や、表面の症状に惑わされずに体の奥の虚実寒熱を見極める職人技で締めくくります。
全20回にわたり東洋医学の深遠な思想を紐解いてきたこの連載も、いよいよ最終回を迎えます。
締めくくりとなる第20回は、『素問』八正神明論(はっしょうしんめいろん)に記された、古典医学の最高峰とも言える「虚実(きょじつ)を見抜く眼力」についてお話しします。部分的な症状や表面的な変化に決して惑わされず、天体のバイオリズムと肉体の深奥にある根本原因を一致させる、まさに職人技とも呼ぶべき究極の視点を手に入れましょう。
1. 天候と月の満ち欠けに同調する「気血の虚実」
第15回の「天人相関」でも触れたように、小宇宙である人間の身体は、大宇宙のあらゆる天体運動と絶妙にシンクロしています。古典医学では、特に太陽の光(天候)や「月の満ち欠け」が、体内の気血の満ち引きにダイレクトな影響を与えていると考えます。
月が満ちていくとき(新月から満月へ)
自然界の引力が高まるとともに、人間の体内でも気血が表面へと満ち溢れ、筋肉や組織が最も強固になる時期です。この時期は、たとえ外から邪気が襲ってきても、身体の防衛力が勝っているため、病が深く入り込むことはありません。
月が満ちきったとき(満月)
体内の気血が最高潮に達し、エネルギーが最も盛んになります。しかし同時に、溜め込みすぎたエネルギーが「実(じつ・余分な滞り)」や熱へと変わりやすい瞬間でもあります。
月が欠けていくとき(満月から新月へ)
自然界のエネルギーが収束に向かうにつれ、人間の気血も身体の奥深くへと引き締まり、防衛力が徐々に低下していきます。組織は弛緩し、エネルギーが最も不足する「虚(きょ)」の状態に傾きやすくなります。
古典医学の職人技とは、こうした天体のサイクルを完全に頭に入れた上で、治療の加減を微調整することです。月が満ちているときには、余分な滞りをしっかりと巡らせ(瀉法)、月が欠けて虚しているときには、身体を過剰に刺激せず、失われた元気を優しく補う(補法)。自然の満ち引きに逆らわず、その日の天の動きに治療のベクトルをぴったりと一致させるのです。
2. 表面の症状に惑わされない「眼力」
臨床において最も重要であり、かつ最も難しいのが、患者さんが発する表面的な症状(結果)に目を奪われないことです。
例えば、身体に「激しい熱感や痛み、興奮状態(陽の症状)」が現れているとします。一見すると、エネルギーが過剰に溢れかえっている「実症」のように思えます。しかし、古典医学の眼力を持つ者は、その表面的な勢いに騙されません。
第8回で学んだ「陰陽の中に陰陽あり」の視点を駆使し、身体の奥の深い根っこ(五臓・陰)を診つめます。
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表面で熱が暴れているのは、実は体内の水分や生命力の根本(陰)がカラカラに乾いて不足している(虚)ために、抑えの利かなくなった陽気が上に浮き上がっているだけではないか(陰虚火旺)。
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逆に、身体が冷え切っているように見えても、実は体内の奥底で激しい熱の渋滞が起きており、そのせいで手足の末端までエネルギーが届かずに冷えているだけではないか(真熱仮寒)。
表面の「熱」や「冷え」という看板だけを見て処置を変えるのではなく、その奥に隠された「本質的な虚実寒熱(きょじつかんねつ)」を見極めること。この見極めの眼力こそが、古典医学の臨床を支える生命線なのです。
3. 職人技が導く「あるがまま」の調和
治療者がこの高い眼力を持ったとき、施される鍼灸の術は、単に症状を消し去るだけの道具ではなくなります。
第11回でお話しした「恬淡虚無」な心で患者さんの脈や身体に向き合い、第16回・第17回で学んだ時間と河川の法則に照らし合わせ、そして今この瞬間の月の満ち欠けを感じ取る。 そうして導き出された一針は、過剰なものをそっと受け流し、不足している場所に豊かな潤いを呼び戻します。
肉体の深い根っこである五臓が満たされ、体内の十二経水がサラサラと淀みなく流れ始めれば、部分的な痛みや不調は、まるで役割を終えたかのように自然と霧散していきます。
4. 20回の連載を終えて──小宇宙を生きるあなたへ
全20回にわたる東洋医学の古典思想の旅はいかがでしたでしょうか。
伏羲が定めた易の八卦(第1回)から始まったこのロードマップは、陰陽のダイナミックな循環、道教の哲学、偉大なる『素問』『傷寒論』の知恵を経て、天体と一体になって生きる究極の養生(第20回)へと辿り着きました。
古典医学が私たちに一貫して伝えてくれたメッセージは、とてもシンプルです。 「あなたは自然の一部であり、あなたの身体の中には、美しく精緻な小宇宙がすでに備わっている」ということです。
日々の忙しさや社会の欲望(名利)に揉まれて、心や体の歯車が狂いそうになったとき、いつでもこの古典の知恵を思い出してください。月の満ち欠けを感じ、四季の移り変わりに耳を澄まし、自分の内なる声に寄り添うこと。その「自然に随う生き方」を選択した瞬間から、あなたの命は本来の健やかさと輝きを取り戻し、百歳を過ぎても豊かに天年を全うする道を歩み始めるのです。
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医療の限界に挑む「最後の砦」として
【自己紹介】

広島海田 まつたに鍼灸整骨院 院長 松谷 行晃(まつたに ゆきてる)
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臨床経験 約40年(1983年創業)
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のべ施術数 約20万人以上の豊富な症例実績
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専門領域 現代医学で改善が困難とされる難病への鍼灸アプローチ、急性のケガ(外傷)に対する柔整保険施術
「患者さんが治らないのは自分の責任と考えなさい」 中国留学時代に恩師から授かったこの言葉を胸に、約40年間、東洋医学の可能性を追究し続けてきました。病院で「もう打つ手がない」と告げられた方々の絶望を希望へと変えるため、日々伝統医学による根本治療に挑戦しています。
【当院が選ばれる6つの強み】伝統と先進科学の融合

1.日本初のエコー・サーモグラフAI分析と「気を科学する」客観的検査
東洋医学が培ってきた「目に見えない気血の流れ」を最新科学で可視化します。日本で先駆けて導入したエコー観察やサーモグラフィに加え、最新のAI分析システムを融合。主観に頼らない客観的なデータをもとに、お身体の不調を徹底的に「見える化」して原因を突き止めます。当院が誇る独自の「気鍼(きしん)」の効果も、このシステムによって証明されています。
2.広島県初・中国南京留学を経験した国家資格者のWライセンス
確かな知識と技術の裏付けとして、広島県で初めて中国南京への鍼灸留学を経験。東洋医学の最高峰で本場の伝統技術を習得しました。さらに「鍼灸師」と「柔道整復師」の国家資格ダブルライセンスに加え、相談支援員の資格も保有。お身体のケアから心のサポートまで包括的なアプローチが可能です。
3.薬物に頼らない身体に優しい治療
当院の鍼灸療法は、副作用のリスクがある薬物に依存しない心身に優しい施術です。「これ以上お薬を増やしたくない」「できることなら薬を止めたい」と切実に願う多くの方々から、強い支持をいただいています。
4.整形外科医・大学教授からの推薦
医療のプロフェッショナルからも高い評価を得ています。
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森ノ宮医療大学教授・整形外科医 久保教授 推薦
5.広島大学漢方センターでの実績
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広島大学漢方センター 緩和ケア鍼灸講習受講修了 現代の先端医療と東洋医学の架け橋となる最前線の知識を取り入れています。
6.蓄積された研究実績と論文発表
長年にわたり、技術の暗黙知を科学的に解明するための研究を重ねています。
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指頭感覚の研究(東洋厚生科学研究所にて電気的なツボ解明の基礎研究)
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バランス、骨折、テーピング、エコー画像に関する臨床研究(広島県柔道整復師会)
確かなエビデンスに基づいた施術をあなたへ
当院の最大の特徴は、伝統的な「脈診(みゃくしん)」による緻密な体質の見極めと、エコーやサーモグラフィ、AI分析といった現代科学を融合させた独自の検査システムにあります。
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