昨日のブログで少し書きましたが、昨夜、兵庫県立芸術文化センターで、佐渡裕さんのマーラー8番「千人の交響曲」を聴きに行きました。チラシに「節目の年に祈りと希望を込めて」とありますが、阪神大震災30年と芸術文化センター開館20年の記念ということです。ここの年間会員になっているので、二か月に1回くらいの公演に参加することができます。
昨年1月の公演は能登地震の直後でして、佐渡さんは1年後にこの公演(マーラーの)を準備している偶然にふれながら(この公演はほとんどの回で佐渡さんのトークがあるのが特徴です)、終了後はカンパを呼びかけていました。だから佐渡さんが手に持っていたカンパ箱に入れてきました。
いや、マーラーの迫力はすごかったです。震災の哀しみもそれを乗り越えようとする気概も、すべて佐渡さんに乗り移っていたような感じでした。
今回、チラシのオモテをボヤッと見ていたので、昨日家を出る前は、マーラー一曲だと思っていました(80分もあるし)。けれど、家を出る直前に良く見たら、大友良英さんの新曲(「そらとみらいと」)まで演奏されるとか。わあ、これはお得だと興奮。
ご存じの方も多いと思いますが、大友さんはNHK朝ドラ「あまちゃん」の音楽を手がけたことで有名です。福島出身で、3.11のあともずっと音楽で福島と関わり続けています。私も3.11のあと「生業訴訟」と関わり続け、10年間はその日は福島で迎えるくらしをしてきました。「生業訴訟」が裁判の期日の日に傍聴の抽選から漏れた原告団の主催する講演会の講師の選定などをまかされ、内田樹さん、浜矩子さん、白井聡さんなどに声をかけて実現してきました。
そのうちのお一人が大友さんでした。こんな無茶な演題でお願いしたのです。「もし『あまちゃん』の舞台が福島だったら」。大友さん、この難しい演題に見事に応えてくれました。それはかもがわ出版の『福島が日本を超える日』に収録されています。
新曲「そらとみらいと」は、「すごい」の一言でした。第一楽章には引き込まれ、第二楽章は即興を楽しみ、第三楽章は心が明るくなった(祭り囃子のボレロという感じ)。ジャズの作曲家がクラシックに挑み、そこに即興を持ち込んで佐渡さんが指揮を楽しんだというところです。大友さん、このチラシによるとこの20年、神戸の障がいをもった子どもたちと「音遊びの会」の活動をしてきたのですね。それが新曲にも見事に生かされていました。大友さんと佐渡さんのトークも聞けました。
ということで、何年かぶりに大友さんにメールを送りました。能登にも来てもらえればうれしいな。