旅行中に読むべき資料の画像を上げておいたけど、予定通り進めることができた。仕事も裁判もばっちりである。

 

 帰りに電車のなかで読んだのが、画像中唯一の書籍である。これは部分社会論を含む憲法裁判を取り扱ったもので、判例分析を中心にたいへん勉強になる。

 

 この本のなかの共産党袴田事件の部分は、昨年2月に除名された直後、再審査の結果が不調だったら裁判になることも想定し、読んでいたものだ。というか、ある自由法曹団の重鎮の弁護士に相談に行った際、資料として渡されたので読んでいたという程度だけど。

 

 それにしても、その該当部分だけを勉強するというのではダメだ、というのが本全体に目を通した最初の感想である。この本、部分社会論に限って見ても、政党以外に大学、宗教団体、地方自治体などを取り扱っている。それら全体を読むことで、これら部分社会に共通することと違っていることが理解でき、政党を主題にして争う場合に必要なことも見えてくる。

 

 それ以上に勉強になったのは、部分社会の法理がどのようにして形成されたのかということだ。私はこれまで不勉強で、戦後の新憲法で結社の自由が謳われたことが戦前の反省なので、団体の自律権という考え方も、だから処分も団体に任せるという考え方も、新憲法から理論的に導き出されたのだと勘違いしてきた。

 

 しかし、そうではなかった。あの砂川判決で超有名な田中耕太郎が最高裁のなかで主張し、最初は少数派だったのが次第に多数派になっていったのだね。ということは、戦後の司法反動化と一体だったともいえる。これを天まで持ち上げる共産党の論理は、天につばするとも言えるのだ。詳しくはそのうちメルマガで書いてみたい。

 

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〈6月末まで常時掲載〉共産党からの除名撤回を求める裁判の第1回目の期日は6月20日(木)の午後2時から、東京地裁第421号法廷です。この日の午後6時より、池田香代子さんとの対談を行います。会場参加ご希望の方は、応援隊ブログから申し込んでください。なお、その日、裁判闘争を闘うために執筆中の『私は共産党員だ!』(文春新書)が刊行されます。6月末時点で私のメルマガを年間契約(8400円)してくださっている方には本をプレゼントしますので、それまでにメルマガをここからお申し込み下さい。