狭い世界でしか話題になってこなかった事件である。私にとってはきわめて大きな意味を持つ事件なのだけれど。とはいえ、読売新聞22日付(水)の東京都民版に記事が掲載されたので、東京在住の読売新聞読者には少し知られたかもしれない。
なお、「東京土建一般労働組合事件」とは、裁判所の判決文で使われている言葉である。どんな事件かは、新聞の記事を引用する。
「(東京土建の)複数の組合員は19年8月、政党への要望活動などのために任意団体を設立。20年8月、自民党都議に住宅リフォームの助成制度創設の要望書を出した。これに対して組合は規約が禁じ『組合の分裂を企てたり、混乱をもたらしたりする行為』と認定。……活動にかかわった役員2人を除名、別の役員2人を役職罷免(ひめん)などとした。」
その後、除名された原告が東京地裁に提訴して勝訴し、東京高裁も地裁判決を支持。最高裁は今年2月、被告(東京土建)の上告を退けたというのが、この事件の経過だ。
判決文がすごい。そのうちメルマガで解説しようと思うが、東京土建が組合員を除名した論理と手続きが、共産党が私を除名したそれと瓜二つなのだ。判決文はそれを完膚なきまでに否定している。
ということで、近く仕事の出張で東京に行くのだが、時間を割いて原告にお会いすることになった。お伺いしたいことがいろいろあるので。
そういえば、部分社会の法理が最初に打ち破られたのは地方議会の分野で、議員に対する出席停止処分を違法だとして最高裁が判示し、かつての判例が覆ったのだが、その原告だった議員(無党派)の方にも連絡をとったほうがいいかもしれない。部分社会の法理と闘う人びとの連合体をめざすとか。奈良や沖縄では、共産党の地方議員も出席停止処分を裁判で闘っているので、共産党も含めて「統一戦線」が出来たりして(笑)。
まあでも、本業の仕事が最優先。9月には、自衛隊、九条、安全保障論で、あっと驚かれるような本を3冊出す予定であり、そのための出張なので。