「本日の『赤旗』」をテーマにブログを書いていくと宣言したが、初日からこけてしまった。「昨日の『赤旗』」になってしまっている。

 

 1つには、本日2日付の「赤旗」を論じようとすれば、最大のニュースはその大幅な減紙になってしまって、話題として生々しすぎる。また、実際に書いてみようとして思ったのは、その日の朝に読んだ「赤旗」を早めの時間に論評しようとすると、あまり考える時間がないことだ。新聞を読んで、1日仕事をしながらああでもない、こうでもないと考えているうちに、適切な論じ方が見つかるような気がした。そこで、「昨日の『赤旗』」になった次第である。

 

 2面にこんな見出しで記事が出ていた。「岩手県 中小に賃上げ支援金」「物価対策1人1.5万円」。共産党の斉藤信県議会議員の「社会保険料減へ国もぜひ」という談話も載っている。

 

 まず、この支援策の内容である。「赤旗」にはこう書いている。

 

「支給対象は昨年4月以降、従業員の賃金を時給換算で50円以上引き上げた中小企業で、1人あたり5万円、1事業所に最大20人分、合計100万円を支給する制度。引き上げ後の賃金水準を1年間継続することなどが条件です。財源には国の「『重点支援地方創生交付金』を活用することとしています。」

 

 なかなか太っ腹な支援策である。中小零細企業から歓迎もされているようで、斉藤信県議の談話によると、20人以下の事業者の申請が64%を占めるとされる。

 

 わざわざ指摘するまでもなく、今春闘では大企業の賃上げは大きな成果を生んだけれども、中小企業への波及はまだまだである。国民生活向上のためには、勤労者の多数を占める中小企業の賃上げが欠かせないことはいうまでもないことであり、政治がどう知恵をしぼって支援策を打ち出すのかが問われている。

 

 とりわけ共産党や「赤旗」は、この問題では大きな役割を果たせるはずだ。この記事では断片的にしか触れられていないが、中小企業が賃上げできない大きな要因の1つは、元請け大企業に対する価格転嫁が出来ないことにある。党支部や地区委員会などが、立地する中小企業の賃上げを支援する意味でも、地域ぐるみのたたかいを組織して元請け大企業に迫っていく構図をつくることができれば、国民の暮らしを守るうえでも、党への信頼を高めるうえでも、大きな意味があるのではないだろうか。

 

 1つ気になっているのは、岩手県が実施し、「赤旗」が評価しているのは、中小企業に対する直接的な財政支援だが、国がやっていることには否定的な目を向けているように見えることである。「赤旗」はこう報じている。

 

「政府が中小企業の賃上げ対策として行っているのは、賃上げした中小企業の法人税を減税する『賃上げ税制』です。6割の赤字企業は使えない制度で、今回、政府は赤字の企業が5年間繰り越して黒字になったら相殺できる繰越欠損控除制度を設けるとしています。与党税制大綱も、賃上げに向けた税制措置のインセンティブが必ずしも効かないと認めています。」

 

 この点は、行政の支援策はどうあるべきかという点で、考える問題が含まれている。(続)