この間、共産党のことばかり書いていますが、ちゃんと仕事もしています。月末には私が編集を担当しているこの本が書店に並びます。内田樹さんと石川康宏さんの往復書簡集である『甦る「資本論」』です。

 

 

 これって、13年前(2010年)に第1巻が刊行された『若者よ、マルクスを読もう』の最終巻になります。第1巻のサブタイトルが「20歳代の模索と情熱」。以降、サブタイトルを追っていくと、「蘇るマルクス」(2014年)、「アメリカとマルクス」(2018年)と刊行しました。途中、著者2人に池田香代子さんが加わってドイツ、イギリスに読者とともに旅行をして、その成果を番外編である『マルクスの心を聴く旅』(2016年)にもまとめました。

 

 この企画が決まったのが2008年でしたから、完結まで15年。いやあ、著者には本当に頑張っていただきました。率直に言うと、企画した当時は、著名な方に書いてもらうとはいえ、マルクスの名前を冠した本が売れることは、あまり想定できませんでした。ましてや、シリーズ最後に予定していた『資本論』まで刊行できるなんて、空想のようなものでした・

 

 けれども、その2008年末から『蟹工船』ブームが起きるなど、貧困と格差の広がりのなかで、原典に帰ろうとする流れが起きてきたのですね。そのブームに乗っかった? いや、現在では斎藤幸平さんや白井聡さんら若手の『資本論』への挑戦が喝采を浴びているわけですから、そのブームを切り開いてきたのではと、勝手に自負しています。

 

 本日は、その刊行を祝して、著者お二人とと私の「慰労会」。普通だったら、慰労会って、出版社が著者を接待するのですが、本日はなんと、著者が私を慰労するために開いてくれるのです。出版社に入って17年、こんなことは初めてで、涙が出てきそうです。

 

 ということで、すでにアマゾンでも予約を開始していますので、是非、手に取ってみてください。