今月、京都の2箇所で、日本の安全保障をテーマに講義することになっている。一方、この間、ずっと共産党の綱領研究に埋没してきたため、講義の準備が十分でなかった。でも、党綱領を研究してきたのも、安全保障政策を考えるためだ。じゃあ、それを関連して論じればいいじゃないかということで、以下のレジメで講義をすることにした。オンラインはないが、もし近くに居られて聞きたいという人がいれば、どうぞご連絡ください。6日(火)が京都府北部、21日(水)が京都市内である。いずれも午後1時から。

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日本の安全保障を考える――共産党綱領規定の変遷を中心に

 

はじめに――共産党綱領を素材にする意味

 

一、61年綱領の世界認識と安全保障観

1、侵略の帝国主義VS平和の社会主義という構図で

2、日米安保と自衛隊もその構図のなかで捉えていた

3、レーニン以来の帝国主義論の枠組みのなかで

 

二、61年綱領と現実世界との乖離と対応

1、目の前で展開されていたベトナム侵略戦争

2、ソ連や北朝鮮などの無法の現実は批判していた

3、社会主義に味方する安全保障観ではなかった

 

三、85年綱領改定での現実世界との接近

1、「朝鮮戦争=アメリカの侵略」規定の訂正

2、「反帝国際統一戦線」を削除し「反核」を重視

3、社会主義の理念の維持と現実の覇権主義批判と

 

四、冷戦の終了がもった意味と党の対応

1、直後の「冷戦は終わっていない」という認識

2、湾岸戦争での冷静な対応と生じた混乱

3、94年党大会(米帝国主義論の事実上の変更と建前)

 

五、04年新綱領の世界認識と安全保障観

1、米帝国主義論の本格的な変更を行う

2、「侵略の帝国主義VS平和の社会主義」構図の排除

3、3段階論の登場と「安保条約廃棄前」の第1段階

 

おわりに――平和と安全保障は対立するのか