昨日の午前、まじめに志位氏の報告を聞いた。おとなしめの報告だったが、党員の視聴がされていない場で、なかなか興味深い出来事があったみたいだ。本日の「赤旗」で公表された7中総に関するコミュニケで、以下のように書かれている。

 

 「浜野忠夫幹部会副委員長が、小池晃書記局長が行ったパワーハラスメントについて、常任幹部会として党規約第49条にもとづく『警告』処分を行ったことを報告し、総会はこれを承認した。また、『警告』処分に関する党規約の解釈・手続について提案し、総会はこれを承認した。」

 

 前半部分については、常任幹部会が小池氏の警告処分を決めた際、このブログで指摘した通りである。中央委員に対する処分は(だからもちろん書記局長も)、たとえ「警告」処分であっても、中央委員会だけが権限を持っているのであって、常幹には決める権限がないということである。7中総は、その規約解釈の定めにしたがって、小池氏の処分を承認したわけだ。

 

 一方、コミュニケの後半部分については、文面を見ただけでは理解できないだろう。これは、中央委員に対する処分のうち、「警告」処分に限って、中央委員会の承認を不要とするということらしい。今回の小池氏に対する処分のようなものは、今後、常任幹部会の権限に変更するということだ。

 

 おそらく、会議に参加していた中央委員諸氏の大半は、この意味がよく分かっていないことと思う。そもそも、小池氏への処分は常幹で決めたことで終わった話であり、まさか自分たちの参加する中央委員会の議題になるなんて、想定外だったのではないか。それは党運営の現実が、常任幹部会>中央委員会という関係になっていて、中央委員会に大きな権限を与えた党規約の建前が理解されていないことの反映である。

 

 規約を見れば分かる通り、党の諸機関のうち、「権限」が明示されているのは、党大会と中央委員会だけである。党大会は「最高機関」であり、中央委員会は「(つぎの党大会までの)指導機関」とされている。中央委員会の具体的な仕事も明示されている。

 

 一方、幹部会は、つぎの総会まで「中央委員会の職務」を行うものであり、常任幹部会は「幹部会の職務を日常的に遂行する」ものである。党大会や中央委員会のように「最高機関」とか「指導機関」という言葉は使われていない。指導機関はあくまで中央委員会であって、幹部会や常任幹部会は中央委員会が開かれていない間、その職務を代行するという関係なのである。

 

 だから、中央委員会の権限から離れて、幹部会や常任幹部会が独自の権限を有するということは、規約の明文からもその精神からもあり得ないことなのだ。現行の規約では、常任幹部会が決めたことであっても、「指導機関」である中央委員会がそれを取り消せることが想定されているが(建前とはいえ)、中央委員の警告処分に限っては、それが不可能になるということだからだ。

 

 そうする理由について、警告は軽い処分だからと説明されたそうだが、ことは軽いか重いかという問題ではない。部分的とはいえ、規約に明示された中央委員会の権限を取り上げるものであって、実態を反映しただけであるといっても、波及効果はかなりのものに成りかねないと感じる。中央委員会が最終的な権限を持つという規約の建前では、何か不都合なことでも生じるのだろうか。