『共産党100年 理論と体験からの分析』がアマゾンで被った問題については、逐次書いてきた。そして、22日に予告していたように、ようやく定価での販売が始まった。

 

 ただしかし、それから4日も経たない昨日、表示が「在庫切れ」となり、その後すぐ「1月9日お届け」表示となり(画像)、そして現在は通常のお届けモードに戻っている。1日の間の出来事だ。

 

 この本のアマゾンの扱いについて、いろいろ話題になっているので、どういう状況でこうなったかを解説しておこう。というか、解説するほど意味のあることではないが。

 

 発売から3週間以上もアマゾンで販売されず、その間、街の書店では売れ行き好調だった。もしアマゾンで通常に売れていたら、発売直後に重版になっていたと思われるほどだった。しかし、その見通しが立たないので、踏み切れないでいたわけだ。

 

 その後、ようやくアマゾンで発売が開始され、弊社にも百数十冊という規模(通常からするとかなり大きい規模だ)で注文が寄せられた。普通なら、それだけ大規模な冊数をアマゾンが抱えていると、あとは10冊とか20冊とか、小ロットの注文が繰り返される。それで弊社としては、在庫の減り具合を見て、重版を決めるわけである。

 

 重版を決めてから実際に納品されるまで、それなりに時間はかかる。2週間くらいだろうか。誤植などがないか著者に確かめ、修正する作業もある。だから、在庫がなくなってから重版を決めるというのではなく、「なくなりそうだ」という予測を立てるわけだ(この予測に失敗すると、大量の在庫を抱えてしまうことになる)。

 

 手元に200冊の在庫があったとして、数日ごとに10冊単位で注文があれば、在庫が100冊になった時点で重版を決めれば、在庫がゼロという状況を最短期間で乗り切れる。今回、そのつもりだったのだ。

 

 ところが、アマゾンは、そんな小ロットではなく、二回目は一回目を超える大ロットで注文をしてきた。きっと、一回目の注文分が一気になくなった(その結果、「在庫切れ」表示となった)ので、それに味を占めて大量の注文となったのだろう(その結果、とりあえず「1月9日お届け」となり、手元に二回目注文のものが来たので、通常表示に戻ったのだろう)。

 

 まあ、こうやって、売れるのはいいことだ。しかし、売れ行きを確かめながら重版を決めるという、弊社の思惑は叶わなかった。なんと、会社の在庫が一気にゼロになってしまったからである。

 

 重版は決まった。うれしい。しかし、年末年始の休みも挟むことになって、その間、重版作業はストップするので、3週間にわたって注文があっても出荷できない事態が続くことになる。

 

 まったく、アマゾンには、最初からずっと振り回されてしまった。弱小出版社の定めとして受け止めなければならない覚悟はしているが、それにしても理不尽なことではある。