別に私が志位さんに手紙を出すわけではありません。弊社が来年1月20日に刊行する本のタイトルです。 

 

 著者は鈴木元さん。本の中心点は、チラシの以下のコピーにあらわされています。

 

「貴方はただちに辞任し、党首公選を行い、党の改革は新しい指導部に委ねてほしい。—党歴60年の古参党員からの直言」

 

 すでにアマゾンで予約も開始されています。ここからどうぞ。

 

 すでに紹介したように、私も来年1月19日、『シン・日本共産党宣言—ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓します。関心のある方は、ここからどうぞ。

 

 似たようなタイトルの本が、似たようなタイミングで出版されるということで、「共謀」とか「分派」を疑う人もいるようですね。でも、そんなことは毫もありません。そして、そのことが、この問題の深刻さを示しているのだと思います。

 

 鈴木さんの本の第一章は、21年総選挙、22年参院選挙の結果のことから始まります。この結果をふまえ、こんな本を書かねばと思われたのですね。

 

 それは私も同じなのです。21年総選挙があるまでは、このまま楽しく人生を終わっていくのだろうなと思っていました。出版社での仕事も充実していたし、「自衛隊を活かす会」という他の誰にもできない取り組みも行えたし、書きたい本を書いてきたし、共産党に対しても言いたいことを言ってきたし。

 

 でも、21年総選挙の結果、深刻な危機感を抱いたのです。自分が死んでいくのと、共産党が取るに足らない政治勢力になってしまうのと、どちらが早いだろうかと。

 

 そう考えたときに、共産党に対して斜めに構えるのでなく、真剣に向き合って、自分にできることは何でもやろうと決意しました。そして、自分にできる最大の貢献は、党首公選を求めて立候補を表明することだと思ったのです。

 

 鈴木さんは、すでに立候補するようなご年齢ではありませんが、似たようなことを21年総選挙の結果から導き出されたのですね。「出版したい」という申し出があり、その構想を伝えられたとき、「ああ、同じことを考えている人がいたのだ」と感慨深いものがありました。だから、共謀でも分派でもないのです。

 

 それに、「同じこと」と言っても、鈴木さんは志位さんの辞任を求めているのですが、私はそうではありません。ただ、党首公選で争おうと言っているだけで、鈴木さんよりずっと穏健な主張なのです。

 

 そして、想像ですが、似たようなことを考えている人は、もっとおおぜいいるのではないでしょうか。その現実を、共産党は受け止めなければなりません。分派活動をするつもりはないので、党内情勢をさぐることはしませんけれど。